みずほフィナンシャルグループと日本IBMは2月1日、システム運用に生成AIを用いる実証実験を行い、有効性を確認したと発表した。4月以降に本番環境への適用することにしている。
実証実験は、両社が共同で2023年8月から3カ月間行った。IBMが提供する「IBM watsonx」の基盤モデルをみずほのシステム運用に適用し、エラー検知の効率化を検証した。具体的は、インシデント対応で誤りが発生する可能性のあるパターンを生成AIに追加し、イベント検知での運用を支援するアプリケーションとwatsonxの基盤モデルを連携させて、イベント検知におけるエラーメッセージの監視と対応の精度を確認。実データで測定した結果、98%の精度を実現しており、インシデントから復旧までの最短手順を生成AIで担当者に案内できるようになり、復旧時間の短縮効果を期待できるとしている。
両社は、watsonxを利用することで、可用性や機密性の確保が必要な場合のオンプレミスでの稼働、現場担当者での監視・運用メニューの柔軟な設定変更も可能になると説明。今後は、watsonxの基盤モデルを活用したイベント検知と対応を拡大させ、2024年度に本番環境へ適用するほか、生成AIを活用したインシデント管理と障害分析の高度化にも取り組むという。