海外コメンタリー

「Adobe Summit」で披露された開発中の最新技術--約4割が製品化

Sabrina Ortiz (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2025-03-26 11:00

 Adobeは毎年、同社のイベント「Adobe Summit」内のセッション「Sneaks」で開発中のプロジェクトを披露し、そのうち約4割が製品化されてきた。Sneaksでは、これまで「生成塗りつぶし」をはじめとした人気機能がいち早く紹介されてきた。

 Sneaksで発表されるプロジェクトは、Adobeの既存製品を基に構築され、クリエーターのワークフロー最適化を図る。当然ながら、米国時間3月18~20日にネバダ州ラスベガス開催された「Adobe Summit 2025」のSneaksで紹介されたものの大半は、マーケターやブランドを支援するAIエージェントに関するものだった。本記事を読めば、Adobeの未来が垣間見えるはずだ。

Perfect Context

 Adobeのブログによると、Perfect ContextはAIエージェントを活用し、ユーザーの顧客理解を手助けする。同エージェントは、「Adobe Experience Platform」の「Adobe Customer Journey Analytics」におけるファーストパーティーの行動データに、経済や気象データなど外部のインサイト(洞察)を組み合わせる。

 ユーザーは、双方のデータセットを基に会話形式で質問でき、顧客体験(CX)について理解を深められる。これらのインサイトは、顧客のニーズに応えるCXの構築に役立ち、キャンペーンの成果向上が期待される。

Slide Wow

 スライド資料は優れた情報共有手段だが、作成には時間がかかる。特に上級管理職は、ほかのチームと調査結果を共有するため、データに基づいたインサイトをプレゼンテーションにまとめることが求められる。Slide Wowは、Customer Journey Analyticsのデータを、ビジュアライゼーションやスピーカーノートの機能を含む充実した「Microsoft PowerPoint」のプレゼンテーションに変換する。

 プレゼンターは、スライドに含まれていなかった情報に関しても、データセットに質問して回答を引き出せる。Sneaksでのデモンストレーションでは、プレゼンターがお気に入りのアイスクリームのフレーバーに関するデータセットをプレゼンテーションに変換した。このプレゼンテーションは、セクションや図、スピーカーノート、想定質問を含む結論のスライドを備えている。テーマを維持するとともに自然な順序にすることで、要点をきちんと伝えていた。

提供:Sabrina Ortiz/ZDNET
提供:Sabrina Ortiz/ZDNET

Site Leap

 コンテンツ管理システム(CMS)は、多くの企業の基幹業務において核となる役割を果たしている。しかし、これらのシステムが時代遅れになったり、最適ではなくなったりしても、企業は高額なコストやワークフローの混乱を懸念して、移行に踏み切れないことがよくある。Site Leapはその名の通り、CMSの移行を容易にする。AIエージェントで既存のブランドページを分析し、コンテンツを「Adobe Experience Manager」(AEM)に取り込んだ上で、新しいモックアップ(デザインの試作品)に基づいてページを調整する。

 デモンストレーションでは、プレゼンターが「ウェブサイトをAEMに取り込んで」とSite Leapに指示し、オープンソースのブログをAEMに移すと、数秒以内に全てのコンテンツが取り込まれた。ブログのデザインをAEM上で再現することも数秒以内に完了した。AIエージェントに画像とタイポグラフィーを改善するよう指示したところ、それも可能だった。デザインを刷新しながらコンテンツは保持したい場合、モックアップをアップロードするとエージェントが対応する。

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