UiPathは、ソフトウェアテストにAIエージェントを導入するための新ソリューション「UiPath Test Cloud」(Test Cloud)の提供を開始した。同社が4月14日に発表した。
Test Cloudは、「UiPath Autopilot」などのAIエージェントや、「UiPath Agent Builder」で構築されたカスタムAIエージェントをテスト担当者に提供する。これらのAIエージェントがテストプロセス全体で協力的なパートナーとして機能する。同社はこれを「エージェンティックテスティング」と呼び、品質保証チームなどがテストの設計、自動化、管理を加速できるとしている。
同ソリューションは、最新のウェブ、モバイル、SAPやOracleなどのエンタープライズアプリケーションに対応し、エンドツーエンドの自動化機能を提供する。また、業界認定のセキュリティ基準を満たし、監査、ロール管理、一元化された資格情報管理などを備えた実運用レベルのアーキテクチャーを持つ。さらに、「UiPath AI Trust Layer」により、セキュリティ、安全性、ガバナンスの基準を満たした、オープンで柔軟かつ責任あるAI活用を実現する。
このほか継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)やアプリケーションライフサイクル管理 (ALM) ツールとの統合、バージョン管理、「Webhook」にも対応している。加えて、UiPath Platformの一部として、チーム間でのコンポーネント共有や再利用、マーケットプレイス、スニペットとライブラリー、オブジェクトリポジトリー、アセット管理などの機能も活用できる。
従来のソフトウェアテストは手動作業が多く、コストと時間がかかる上、多くのリソースを必要としていた。ある調査によると、IT予算の最大25%が品質保証とテストに費やされているという。Test Cloudは、人とAIエージェントの協働を重視することで、この課題に対応する。Test Cloudに含まれる具体的な機能としては、迅速に利用可能なAIエージェント「Autopilot for Testers」と、特定のニーズに合わせてカスタムAIエージェントを構築できるツールキット「Agent Builder」がある。
UiPathが委託したIDCの調査によると、Test Cloudを導入した組織では、テスト効率が36%向上し、新機能提供のスループットが2倍に増加、ダウンタイムは50%削減され、トラブルシューティングにかかる時間は93%減少したという。実際に、CiscoではAutopilotを使用することで手動テストの労力を約半分に削減し、テストチームがより創造的、戦略的な業務に集中できるようになった事例も紹介されている。
今後、日本市場においては、富士ソフトやAGESTなどのパートナー企業と協力してTest Cloudを提供していく。富士ソフトは、Test Cloudによって、QCD(品質・コスト・納期)の向上とビジネスの加速が期待できるとしている。またAGESTは、Test Cloudと自社のテスト自動化サービスを組み合わせることで、ソフトウェアテストの自動化を成功に導けるとしている。