筆者は、ローカルエリアネットワーク(LAN)上の「Linux」マシンに頻繁にアクセスする必要があるが、ノートPCが手元にないこともある。そういうとき、「Android」スマートフォンがあれば、SSHコマンドを実行するために、わざわざノートPCを取りに行ったり、デスクまで移動したりしなくても済む。
それでは、AndroidデバイスからSSH経由で接続するには、どうすればいいのだろうか。幸い、「Google Play」ストアには、このプロセスを簡単にしてくれるアプリがいくつかある。どのアプリも無料でインストールして使用できるので、すべてを試して、自分に合ったものを選ぶことが可能だ。無料プランと有料プランが用意されているアプリもあるが、どのアプリも(基本機能は)無料で使用できる。
それでは、Android向けのSSHクライアントを見ていこう。
1. 「JuiceSSH」
JuiceSSHはAndroid向けSSHクライアントの中で最も優れたものの1つである。この無料クライアントは、リモートマシンへのアクセスを容易にする適切な機能を備えている。JuiceSSHの機能で筆者が気に入っているのは、スマートフォンの音量を上げるキーを使って、フォントを瞬時に拡大できることだ。文字が小さいこともあるので、この機能は重宝する。筆者のような老眼の人間には特に重要だ。
JuiceSSHには、ID管理やログイン時の自動スクリプト実行、プラグイン、テーマ、外付けキーボードのサポート、SSHエージェント転送などの機能が搭載されているほか、「Ctrl」「Alt」「Esc」「Tab」などのコマンドに簡単にアクセスすることも可能だ。JuiceSSHの「Pro」版では、スニペット、「Amazon EC2」へのアクセス、セキュリティロックなどの機能も利用できる。Pro版の価格は9.99ドル(買い切り型)で、ライセンスはアプリ内で購入する。利用可能なプラグインには、パフォーマンスモニター、「OpenSSH Importer」「Cluster Snippets」「Tasker」「Port Knocker」「Plugin Audit Log」などがある。

提供:Screenshot by Jack Wallen/ZDNET
2. 「Termius」
Termiusは筆者のお気に入りのデスクトップ向けGUI SSHアプリの1つで、Androidでも優れた機能を提供する。Termiusも無料版と有料版があるSSHクライアントだ。ただし、どちらを選んでも、接続などの設定をクラウドベースの暗号化ストレージに保存する機能が利用できる。Termiusには、接続マネージャーやSSH鍵認証、SFTPサポートが含まれているほか、豊富なテーマやグループ、タグ、ボールトも標準で搭載されている。
Pro版では、スニペットやエージェント転送、ホストチェーニング、プロクシ設定も利用できる。Termiusでは、Android標準のピンチジェスチャーでズームインとズームアウト(フォントサイズの拡大/縮小)を実行することが可能だ。また、「Ctrl」キーや「Esc」キー、ファンクションキーに瞬時にアクセスできるほか、テキストをコマンドに変換するAI機能も標準で搭載されている。
Termiusで注意が必要なのは、Google、Apple、または電子メールアドレスでボールトを設定する必要があることだ。ユーザーはアカウントを作成する必要があるが、Termiusは無料で利用できる。(アプリ内で)Proアカウントを購入すると、個人用ボールト、モバイルとデスクトップの同期、スニペットの自動化などの機能も使用可能になる。

提供:Screenshot by Jack Wallen/ZDNET