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【開幕対談】AWS × ZDNet Japan 自動化の実現、こまったら相談すればよい! AWSをより良く使うためのエコシステム

ZDNet Japan Ad Special

2019-12-26 11:00

[PR]ZDNet Japanにて開催されたAWSセミナー2019の第3回目講演レポート。「運用の自動化」をテーマに登壇者が知見を語った。

IT人材の不足が指摘される中、その解決策として期待されるクラウド活用。しかし一部の企業では、クラウドの利用拡大によるマルチプラットフォーム化でインフラが複雑化し、運用・管理などの手間が増加する事態となっている。クラウド利用で効率化を実現した企業と、逆に複雑化が増してしまった企業の差は何か。ZDNet Japan編集長の國谷武史が、AWSでISV/SaaS ビジネス推進部 部長を務める岡﨑貴紀氏に「意外と差がつくインフラ運用・管理の最適なあり方とは何か」を聞いた。

システム化できる幅の広がりで浮き彫りになった課題

 ITインフラとしてクラウドの利用は当たり前の時代になった。冒頭、國谷は「直近10年でクラウドは身近になりました。しかし、インフラ運用の観点から、新たな課題も浮き彫りになっています」と問題提起した。

 その1つが運用管理の複雑化だ。企業のシステムは「メインフレーム」から「クライアントサーバ(クラサバ)」へ、そしてまた「クラウド」へと集中と分散が繰り返されている。その過程で、運用管理のノウハウも変化してきた。岡﨑氏は、「システムのトレンドに合わせて、管理手法も変化してきました」と指摘する。

 たとえば、2000年代後半は、ソフトウェアやサービスをコンポーネント化し、それらを組み合わせてシステムを作る設計手法「SOA(Service Oriented Architecture)」が多用された。また、既存資産を活かしながらシステムの疎結合を図るため「ETL(Extract/Transform/Load)やEAI(Enterprise Application Integration)」ツールも普及した。そして現在は、複数の小さなサービスをWeb API(Application Programming Interface)で連携させる「マイクロサービス」が注目されている。その流れの中で、さまざまなロケーションにあるデータが散在し、どこのあるのか把握しきれない事態が発生している。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 ISV/SaaS ビジネス推進部 部長 岡﨑貴紀氏
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
ISV/SaaS ビジネス推進部
部長 岡﨑貴紀氏

 岡﨑氏は「クラウド化したことで、インフラ周辺の運用管理の作法がわからないという声は聞きます。AutoScalingやManagedサービスなどこれまでの運用方法と異なることからクラウドベンダーにただ運用を任せるのではなく、自らクラウドでの運用管理方法を学習し、ベンダーとのコミュニケーションを円滑に進めることで運用の効率化を考える時代が来ています。実際にシステム運用担当の責任者の方が、AWSの認定資格を取得して、ベンダーとのコミュニケーションを円滑に進めていらっしゃる企業では、役割が明確で安定して運用されています。」説く。

 現在は「システム化できる幅」が広がっていると岡﨑氏は指摘する。クラウドという利便性のよいインフラの登場により、システム化できる範囲は拡大した。たとえば、IoT(Internet of Things)を管理するシステムの運用管理は、従来の基幹系システムの運用管理手法とは異なる。そうした状況下、システムをきちんと見ていく必要があるというニーズは、以前よりも増加しているという。

「運用監視系アプリケーションの活用」で属人化を脱却

 ただし、日本ではIT人材が圧倒的に不足している。さらに、これまで何度も指摘されていることだが、日本のIT予算はその7割が保守・運用といった「守りのIT」に割かれている。米国では7割が新技術の導入や、ITを活用した新規ビジネスの開発といった「攻めのIT」に割かれている。岡﨑氏は「攻め”と“守り”はバランスが大切ですが、DXレポートの指摘に対応するなら、守りは効率化を図って、攻めに時間を割けるようにすることが求められていると思います。攻めのITは、どうビジネスで”ITを使う”かビジネスモデルへの興味関心や探究心、新しいことへのチャレンジを後押しする体制がとても重要です。」と指摘する。

 もう1つ、IT部門の課題として挙げられるのが、運用管理の属人化だ。システムの運用を「プロフェッショナル」と呼ばれる人に集約した結果、プロフェッショナルがいないと、だれも運用できない状況が発生している。

 この課題に対し岡﨑氏は、「プロフェッショナルがいなくても(システムが)回るような体制を構築することが重要です。運用管理の属人化は、組織のマネジメントにも関わる課題です。まずは運用管理の手法の抽象化レベルを引き上げ、運用監視などのアプリケーションを活用することが属人化の脱却につながります。プロの方の記憶頼りで暗黙知的な領域をいかに減らすかが大切であることを認識する必要があります。SFA(Sales Force Automation)の世界でも属人化脱却には、『記憶より記録』といって、その人に聞かないとわからない状況をどう減らすかやトップセールスの活動を体系化してシステムに落とすということが行われています。」と説明する。

 岡﨑氏によると、2018年後半ごろからクラウドに適合した運用管理ツールを提供する米国のベンダーが、相次いで日本に支社を置くようになったという。これらのベンダーが提供するツールは、クラウドベンダーが運用課題を解決し、標準化するために開発したもので、クラウド時代のワークロードに合わせた機能が充実している。「つまり、日本でもそれだけの需要がある証拠です」(岡﨑氏)

朝日インタラクティブ株式会社 ZDNet Japan 編集長 國谷武史
朝日インタラクティブ株式会社
ZDNet Japan 編集長
國谷武史

 ただし、ユーザー企業の場合は、そもそもIT人材が少ない。岡﨑氏は「米国のユーザー企業は、IT人材が(ITベンダーより)多いと言われます。しかし、日本もこれに追随しなければいけないということではありません。自社のビジネスモデルを見直し、外注する部分と内製する部分を見極めること。そうしたバランスを見極める“目”を養うことのほうが大切です」と指摘した。

 國谷も「これまでは、『何をオンプレで運用し、どの部分をクラウドに移行するか』という境界線を曖昧にしてきました。その結果、データの散在やシステムが分散し、結果的にシステム管理の複雑さを引き起こしたといえると思います」と現状を分析する。

 こうした課題に対処するためには、外注する部分と内製する部分を明確に区別すること。そして、「運用管理のマインドを変えていくこと」も大切だという。

システムをカイゼンし続けるマインドが大切

 では、「運用管理のマインドを変える」には、具体的に何をすればよいのか。岡﨑氏は「ユーザー企業のIT管理者が、外部の(IT)ベンダーと“共通言語”で会話できるよう、クラウド時代の技術を把握することです」と指摘する。

 たとえばAWSは複数の製品やサービスを提供しており、運用に関連する認定資格も設けている。ユーザー企業側に認定資格者がいれば、トラブルの切り分けや、リソースを拡張する際にもベンダーのサポートを得ながら自社で対処できるようになる。

 「現在、多くの経営者は『IT人材育成=DX人材の育成』と考えている側面もあると思います。もちろんDX人材は必要ですが、多様なビジネスモデルと最新のIT技術を知らずにいきなりDX人材になるのは困難です。社内では、自社のビジネスを知る機会は多くあるはずですので、IT人材育成の第一歩として、例えばAWSの認定資格を取得する中で、AIやMLといった新技術に対する知識を深めることをお薦めしたい」(岡﨑氏)

 最後に國谷は、これからの“システムの持ち方”について言及した。現在、多くの企業では自社のオンプレ環境と外部のクラウド環境を利用するハイブリッド型のシステム環境を運用している。両者をシームレスに連携させ、IT環境を最適化して使い続けるにはどのような点に留意すべきなのか。岡﨑氏は、「もちろん全てのIT環境をAWSのクラウド環境に移行することで最適化を図ったお客様も多数いらっしゃいます。ただ、社内システムは、リースや保守の更改タイミングもあり、段階的に移行することが多いといえます。昨今の運用監視サービスは、現行システムの稼働状況なども可視化するサービスもあり、各システムの役割を見極めて移行ができるので、こういった可視化はやはり重要です」と指摘する。

 オンプレでもクラウドでも、既存業務を担うシステムの運用管理は同じだ。しかし、DXを担う新システムは、ユーザーの声を反映し、改善を繰り返す必要がある。たとえば、アプリへのアクセス状況やデータの蓄積状況からシステムの稼働状況を把握し、データを分析して次のサービス開発に活用する。DevOpsやアジャイルと呼ばれる開発手法を用いて、システムの改善発展につなげていくといった具合だ。

 「新システムの運用管理は、『安定稼働させて障害個所を特定する』だけではありません。新システムの利用状況を把握し、次のサービス開発に活かす。ユーザからのフィードバックはもちろんですが、利用状況データの分析から得た知見を次の開発に活かすことがさらに改善スピードを上げることにつながります。運用監視サービスは、こういった活用例が出てきて、どんどん進化しています。これがDXを実現するシステムの運用に求められる機能なのです」(岡﨑氏)

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