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第14世代PowerEdgeサーバが実現する 「モダンデータセンター」のインフラ基盤

ZDNET Japan Ad Special

2017-08-29 11:30

第14世代PowerEdgeサーバはデータセンターに何をもたらすか
高度な拡張性・自動化・セキュリティを実現

 Dell EMCは7月14日、前日に正式発表した第14世代PowerEdgeサーバ(14Gサーバ)をユーザーおよびパートナーに披露する新製品ご紹介イベントを東京都内のホテルで開催した。イベントのテーマは「モダンデータセンターを支えるDell EMC 最新インフラストラクチャ」。Dell EMCが提唱する“モダンデータセンター”とは、高度な拡張性と自動化、セキュリティを実現したサーバとオールフラッシュ ストレージ上に構築されたハイパーコンバージド・プラットフォーム(HCI)を駆使し、IT運用の合理化とコスト削減、ビジネス成果達成の高速化を実現する最先端のデータセンターを指す、というものだ。

 イベントでは、Dell EMCのシニア バイスプレジデントでサーバソリューション プロダクトマネジメント兼プロダクトマーケティングを担当するラヴィ ペンディカンティ氏が、「モダンデータセンターを支えるインフラ基盤」と題して講演、最先端の技術を結集してインフラ基盤の構築を支援する第14世代PowerEdgeサーバの特徴を紹介した。


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 同氏がその重要な特長の1つとしてまず挙げたのが「スケーラブルなビジネスアーキテクチャ」である。最新のインテル® Xeon® プロセッサー・スケーラブル・ファミリーを搭載した第14世代PowerEdgeはあらゆるワークロードに合わせて最適化できる動的なサーバポートフォリオを実現しており、NVDIMM対応やNVMeの集積率アップなどメモリのスケーラビリティも飛躍的に向上させている。


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 これにより、例えば、ソフトウェア デファインド ストレージ(SDS)の処理では、VMware vSANクラスタのシステムで、従来の12倍のIOPSを実現。データベースの処理でも、1分間で8倍以上のオーダー処理が可能になったという。また、サーバ仮想化の処理についても、ネイティブ25Gbpsイーサネットにより、仮想マシン移行を最大58%高速化、Dell EMCのSDSソフトScaleIOで、ノード当たりの仮想マシンの数を最大34%増加させることができるとしている。

 インフラ基盤を支える2つ目の特長は「インテリジェントなオートメーション」である。第14世代PowerEdgeサーバ向けに2017年後半から、新たに統合管理ツールとしてOpenManage Enterpriseの提供を開始予定で、より直感的なインターフェイスで高度なIT管理を実現できるようになった。また、エージェントレスの管理を実現するサーバ管理用の組み込みチップ「iDRAC」もバージョン9にアップグレードされており、サーバ管理の標準規格であるRedfishに対応したRESTful APIによる自動化を実現している。ペンディカンティ氏は、「サーバの管理では、オープンな標準やAPIへの対応が重要な取り組みとなる。これによって、他社製品との連携が容易になり、安全性が高く拡張性の高いサーバ管理が可能になる」と効果を説いた。

 インフラ基盤を支えるもう1つの重要な特長は、「統合されたセキュリティ」である。インフラレベルのセキュリティの重要性について、ペンディカンティ氏は、「セキュリティは後付けではなく設計段階で組み込むことが重要であり、攻撃を受けないようにきちんと保護すると同時に、何かあったら正しく検出し、迅速に復旧する必要がある」と指摘する。第14世代PowerEdgeサーバでは、インテルのBoot Guard機能を使ってシステム起動時にPowerEdgeのBIOSイメージの信頼性を検証し、Dell EMCが提供する有効な署名済みイメージと一致する場合だけ起動を許可する「セキュアブート機能」、管理者以外にシステム構成やファームウェアの変更をできないようにする「システムロックダウン機能」、ドライブが盗難に遭った場合や不適切に再利用された場合などに、暗号化されているドライブ上の全データを数秒で完全に消去する「システム消去(System Erase)機能」などを提供している。

 Dell EMCは、このような特長を備えたPowerEdgeサーバを核に、Ready Node (レディ・ノード)、Ready Bundle (レディ・バンドル)、Ready System(レディ・システム)などワークロードに最適化した事前検証済みのReadyソリューションから、VxRail、VxRack、VxBlockなどライフサイクル管理を最適化した完全な設計・統合・検証済みのエンジニアードシステム、そして、Enterprise Hybrid Cloud (EHC)やNative Hybrid Cloud (NHC)など完全な設計・統合・検証済みのハイブリッドクラウド向けシステムまで、あらゆるデータセンターのニーズに応えるソリューションを提供する。ペンディカンティ氏は、「BuildからBuyまで、あらゆる導入・構築ニーズに対応する」と強調した。


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ワークロードの多様化に“俊敏”に対応
ロックダウン機能や冷却機能をデモ

 イベントでは、続いてDell EMCの執行役員でインフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部 本部長を務める上原宏氏が登壇し、14Gサーバの製品ラインアップと今後のロードマップ、早期検証プログラムユーザーの評価を紹介、さらに14Gサーバの最新機能のデモンストレーションを行った。

 7月13日に世界同時出荷を開始したPowerEdgeの新製品は、ミッションクリティカルなアプリケーションのためにパフォーマンスを最大化した「R940」(4ソケット/3U)、アプリケーションのアクセラレーションとパフォーマンスの最大化を図った「R740」(2ソケット/2U)、高いストレージパフォーマンスと構成の柔軟性を実現した「R740xd」(2ソケット/2U 大容量ストレージ)、高いパフォーマンスを実現する密度と柔軟な拡張性を備えた「R640」(2ソケット/1U)、高パフォーマンスワークロードのための密度、拡張性、電力効率を備えた「C6420」(モジュラー型2ソケット4基搭載/2U)。

 上原氏によると、2017年下半期には、「FC640」および「M640」(モジュラー)のほか、各機種でモデルが追加される見通しという。

 上原氏は続いて、第14世代PowerEdgeサーバの早期検証プログラムに参加したユーザーおよびパートナーの運用管理者からのフィードバックを紹介した。実際に、「冷却機能(ファン)の配置が改善され、効率が良くなった」「iDRAC9の画面がかなり見やすくなり、操作性が向上している」「ベゼルの全面に小窓が付いて便利になった」と評価する声が寄せられている。その他にも、「筐体内の配置がよりきれいになった」「R640はほとんどのパーツがツールレスで取り外せ分解が楽で良い」「R940の筐体が4Uから3Uになりコンパクトになった」といった声も寄せられている。

 講演では、第14世代PowerEdgeサーバで注目されている最新機能のデモンストレーションが行われた。まず披露されたのがシステムロックダウン機能である。操作はきわめて簡単で、新しくなって見やすくなったiDRAC9の管理画面上で、システムロックダウン機能をオンにて再起動するだけだ。管理権限を持たないユーザーがBIOSの設定を変えようとしても、BIOSの設定画面がグレーアウトされており、操作できないことがわかる。

 次に行われたのが、第14世代PowerEdgeサーバの新たな冷却機構「Multi-Vector Cooling(マルチベクター クーリング)」のデモである。通常は、iDRAC9がどのPCIeスロットに何が入っているかを自動的に検知して適切に冷却ファンの風量制御を行ってくれるため、操作する必要はない。今回はデモであるため、サポート外のPCIeカードが挿入されたケースを想定し、手動で風量の設定を変更し、冷却ファンの風量変化を確認した。デモでは、iDRAC9の管理画面からハードウェア設定のPCIeエアフロー設定に進み、風量を最小の1から最大値に変更した。風量を変更するとおよそ1分でファンの回転数が最大になる。今回のデモでは風量を調べるために、大小2つの羽根を持つ風車を使用。最小風量では羽根は1つだけしか回転しなかったが、最大風量では羽根が2つとも回転し、風量が増加したことを確認することができた。


iDRAC9の管理画面からPCIeエアフロー設定を変更

「Multi-Vector Cooling(マルチベクター クーリング)」の冷却ファンの風量変化を風車で可視化

次世代データセンターを支える先進技術トレンド
3D XPoint/インテリジェントエッジ/SDDC

 「モダンデータセンターのあるべき姿」をテーマとしたパネルディスカッションでは、Dell EMC 執行役員副社長 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括の松本光吉氏がホストを務め、インテルの執行役員 技術本部 本部長 土岐英秋氏、日本マイクロソフトの執行役員 コンシューマー&デバイス事業本部 デバイスパートナー営業統括本部長 梅田成二氏、ヴイエムウェアのソリューションビジネス本部 本部長 小林泰子氏がパネリストとして参加し、議論を繰り広げた。ディスカッションを開始するにあたって、Dell EMCの松本氏は、「データセンターを支えるテクノロジーがどのように変わろうとしているかについて議論を進めていきたい」と問題提起を行った。

 データセンターを支えるテクノロジー・トレンドについて、インテルの土岐氏は、「ネットワークに接続されるデバイスの数が増加し、処理されるデータが爆発的に増大するなか、テクノロジーの進化はCPUの世界だけでなく、メモリやフラッシュの世界でも急速に進んでおり、データセンターで活用する選択肢が広がっている。インテルはNANDよりも大容量で高速な不揮発性メモリの新技術3D XPointを開発し今後提供していく予定であり、選択肢の拡大に貢献している」と述べた。また、NVMeやNVDIMM、FPGAなどの技術進化もお客様のITインフラ選択肢の拡大につながっている。

 日本マイクロソフトの梅田氏は、「コンピューティングのパラダイムが大きく変化している」と指摘する。その大きな変化の1つが、マルチデバイス化である。実際に、スマートデバイスから、ウェアラブル、ヘッドマウントディスプレイ、コネクテッドカーに至るまで、さまざまなデバイスが登場しつつある。もう1つの変化が、マルチセンサー化である。スマホが登場するまでユーザーインタフェース(UI)と言えばマウスとキーボードのことを指していたが、スマホの普及によってタッチパネルが有力なUIとして浮上、AIの普及によって音声も重要なUIになりつつある。さらにヘッドマウントディスプレイの世界では、視線(Gaze)がUIとして使われている。こうした、マルチデバイス化とマルチセンサー化によってクローズアップされてきているのがインテリジェントエッジである。例えば、自動運転自動車やコネクテッドカーでは、速度や運転操作など、大量のデータをリアルタイムに高速処理する必要があるが、こうした処理は、パブリッククラウドの環境では遅延が発生してしまい適していない。それを実現するためには、よりデバイスに近いインテリジェントエッジの環境で高速に処理する必要がある。AIを活用するシステムも同様に大量のデータを処理する必要があるため、インテリジェントエッジの環境が適している。

 ヴイエムウェアの小林氏は、「サーバの汎用化と高速化の進展により、データセンターのあらゆるリソースを仮想化し、ソフトウェアのテクノロジーによってデータセンター全体を統合的に管理するトレンドが本格化している」と強調する。同氏によると、現在多くの企業ユーザーが抱える課題は、自社のITシステムとパブリッククラウドとを効率的に接続することにあるという。VMwareが考える次世代データセンターのあるべき姿は、プライベートクラウドをVMwareの技術を使ってSoftware-Defined Data Centerとし、パブリッククラウドとの有機的な連携を実現するというものだ。こうした環境を構築することによって、さまざまなレベルでの自動化が可能になるという。また、VMwareでは、プライベートクラウドからAWSやAzureなどVMware以外の環境で構築されたパブリッククラウドを含む複数のクラウドを横断して連携できる「VMware Cross-Cloud Architecture」を実現しており、柔軟なシステム連携を図ることも可能となっている。

 パネルディスカッションでは、このほかにも、ランサムウェアの「WannaCry」問題により再認識されたインフラレベルでのセキュリティの重要性や、HCI技術やネットワーク仮想化などの新技術でデータセンターがどう変わるのかといったテーマで活発な議論が繰り広げられ、パネルディスカッションの最後は、Airbnbがレガシーな南京錠をスマートキーに生まれ変わらせビジネスに活用している事例の写真と共に、「レガシーなハードウェアもモダンなソフトウェアにより活かされる」としてパネルディスカッションを締めくくった。

 第14世代PowerEdgeサーバの新製品ご紹介イベントでは、その他にも種々セッションが行われ、会場は、セッション、パーティー含め満員で、Dell EMCの勢いが感じられるイベントであった。また、第14世代PowerEdgeサーバ製品のコンセプトである「モダンデータセンターの岩盤(Bedrock)」をイメージさせる岩盤に模したテーブルの上に、インテル® Xeon® プロセッサー・スケーラブル・ファミリーを搭載した第14世代PowerEdgeサーバが実機が複数展示されるなど、イベントの演出にも勢いが感じられた。同社の今後の動きが注目される。

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