米マイクロソフトのCEO(最高経営責任者)を務めるSatya Nadella氏は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて「2カ月で2年分のデジタルトランスフォーメーション(DX)が起きた」と説明している。
Microsoft Teamsは1日のユーザー数が7500万人を超え (2020年4月時点データ。2020年10月現在、1日のユーザー数は1億5000万人を超える) 、インダストリーソリューションの成長は200倍に達したという。
一方で、日本市場に目を向けると、ビッグデータの活用度が63カ国中で最下位になるなど、心配な点も見られる。
デジタル化は日本企業にとって必須の取り組みになっていることは間違いない。具体的には遠隔からの学習や医療、印鑑や紙からの脱却、リモートワークの推進とオフィスの需要縮小への対応、地方への分散、オンライン面談、中国依存からの脱却などさまざまある。
解決策として、マイクロソフトとアクセンチュアの合弁会社として知られるアバナードは、エンジニアでなくビジネスの現場の担当者がアプリケーションを手軽に開発するローコード開発をキーワードとして掲げる。
特に、ものづくりや経理といった現場の作業を簡単にするアプリケーションを素早くつくってPDCAを回す、基幹系システムと連携させるといった2つの手法が、いずれもローコード開発と相性が良いことを強調する。
ZDNet Japan Summitでは、アバナードの三苫周平氏が、マイクロソフトが提供するローコード開発プラットフォームである「Power Platform」について、その導入プロセスや効果について詳しく解説した。この記事では、講演の見どころを紹介していく。
顧客事例とともにつかめるローコード開発ツール
三苫氏は、ローコード開発基盤であるPower Platformについて、アプリケーション開発、データ分析、ワークフロー・RPA、チャットボットに分けた4つのコンポーネントを紹介する。
さらに、Power Platformが持つ高速開発、ガバナンス、コスト削減などの強みについても、それぞれ掘り下げる。さらに、Power Platformが、 Microsoft 365、 Dynamics 365、Microsoft Azureなどのマイクロソフト製品に加え、サードパーティー製品であるAWSやSAPと連携することによってさまざまな機能を提供することに言及する。
意外とも言えるのが、ローコード開発を可能にする「作る」「つなぐ」「動かす」ための各サービスを組み合わせることによって実現するアプリケーションが、基幹系システムと相性が良いという指摘である。
講演では、アバナードが世界に持つ1200社以上の顧客の中から、一部の企業の取り組みを紹介する。2000年の創立以来、4000以上の中大規模企業や公的機関へのソリューション提供実績を持ち、Fortune Global 500のうち46%を顧客としてカバーしているという。
さらにPower Platformの場面ごとの活用例や、実際の導入イメージが分かるデモも閲覧できる。
DXを意識し、現場での素早く手軽なアプリケーション開発を推進することで、イノベーションの実現、差別化を図りたいと考える企業にとって、非常に重要なコンテンツとなっている。
ぜひ登録して閲覧してもらいたい。