カリフォルニア州サンタクララ発--Sun Microsystemsは米国時間1日、従量課金制のグリッドコンピューティングサービス「Sun Grid」の概要を明らかにした。電力公共事業の登場が電力の供給方法を変えたように、グリッドコンピューティングがコンピュータの世界を変えると同社の幹部は述べた。
Sun Gridの利用料金は1CPU当たり1時間1ドル。同サービスを利用すると、ユーザーはSunが所有/管理するサーバやストレージシステムを使って、自社のコンピュータタスクを実行できる。
ユーザーは実際には、複数のサーバやCPUのコンピューティングリソースを同時に利用する。Sunの最高業務責任者(COO)Jonathan Schwartzは、プロテインフォールディングの実験で得られたデータを図式化するデモを行った。処理はほんの数秒で終了したが、これにかかったコストは12ドルだった。実際は何百台ものマシンを使ってこの処理は実行されたが、この処理に費やされたCPUの処理能力を、1CPU当たりのパフォーマンスに換算すると12時間分の処理に相当する。
「データセンターのスタッフや幹部に、新しいモデルへの移行を説得できるかどうかが問題だ」とSchwartzは述べた。同社はまず、金融/製薬/石油/ガスなどの業界にこのサービスを売り込む計画だ。
Schwartzは、グリッドコンピューティングの発展を電力の発展になぞらえ、Jill Jonnesの著書『Empires of Light』に言及した。100年前、家庭に電気を敷くことができたのは一部の人だけで、お抱えの電気技師を雇う必要があった。その後インフラが増強され、規格統一が進んだこともあって、電気は一般に普及した。
「世の中にはさまざまなグリッドが存在する。水のグリッド、電力のグリッド、そして私のお気に入りの下水道のグリッドもある」と同社CEOのScott McNealyは語った。
Sunは、グリッド構築にかかった費用を明らかにしなかった。だが幹部らは、最終的には採算がとれると主張した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。