CRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理)関連ソフトを出荷するオニックス・ソフトウェアは2月10日、日本市場でのビジネス戦略を語った。従来は中小企業に注力していたが、今後は大企業に注力する。
CRMとは、営業担当者やコールセンターなど、顧客と接するフロントエンドから得られる情報を元に適切な顧客対応方法を決定するための情報システムである。一般に、一般顧客を対象とした企業では、コールセンター業務に顧客情報を加味して顧客満足度を上げる。法人顧客を対象とした企業ではSFA(Sales Force Automation)を起点に、蓄積したデータを顧客関係の維持のためのマーケティングに利用する。
CRM関連ベンダーには、オニックス・ソフトウェアが扱う米Onyx Software製品のほか、米Siebel Systems(日本法人は日本シーベル)などがある。米Onyx SoftwareのCEO(最高経営責任者)であるJanice P.Anderson氏は「ワークフローの自動化がビジネスの最先端だ」とCRMの重要性を説明した。
日本法人は、国内市場の戦略として、大企業をターゲットに米Siebel Systems製品からのリプレース需要を見込む。青山守マネージング・ディレクターは「人間がツールに使われる状況が続き、その効果に疑問を持つユーザー企業が多い中、バージョンアップや保守料の支払い時期にリプレースを検討するユーザーがいるだろう。この層をターゲットに売り込んでいく」と語った。
現在の日本国内の顧客数は80社程度である。2000年から営業を始めた日本法人の売上額は、ワールドワイドの6%。ライセンス収入に限れば14%を占める。日本では今後、ライセンス収入に加え、保守料などのサービス収入が増えていく見込みだ。販売代理店となるシステム・インテグレータは全7社で以下の通り。伊藤忠テクノサイエンス、NEC、NECソフト、NECネクサソリューションズ、NTTコムウェア、富士通、富士通ソシアルサイエンスラボラトリ。
国内事例としては、AIU保険会社が富山市のコールセンターで採用、2004年12月1日に稼動を開始した。同システムでは、オニックス・ソフトウェアが扱うCRM関連製品群のうち、情報ポータル機能を提供する「Onyx Employee Portal 5.0」が備えるCTI(Computer Telephony Integration)機能を用いている。