FSF:「GPL第3版でフリーソフトプロジェクトが分割することはない」

Ingrid Marson(ZDNet UK) 2005年03月28日 11時45分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 一部の開発者が、GNU GPL (General Public License)の第3版公開に際して、フリーソフトウェアの世界が分割されるでのはないかと懸念している。だが、Free Software Foundation(FSF)は、心配には及ばないとこれを一蹴した。

 FSFは、GNU GPLの次期バージョンがリリースされても、フリーソフトウェアプロジェクトが分割されるリスクはないと述べている。

 ここ数週間の間に、さまざまなプロジェクトに参加しているフリーソフトウェアの開発者らが、GPLの次期バージョンに関する懸念を表明している。OpenOffice.orgのボランティアDaniel Carreraは、Debian Linuxディストリビューションの公式メーリングリストに投稿し、Linuxは現行のGPL第2版の元で配布されているので、第3版が公開されれば、何らかの問題が起きる可能性があると指摘している。

 「Linuxは、GPL第2版にのみ基づいて配布されていると、わたしは認識している。Linuxの開発には無数の人々が関わっているが、GPL第3版の公開後、すぐにLinuxをこれに準拠させられるかどうか、はなはだ疑問だ」と、Carreraは投稿に記している。

 Debianの保守管理を行うMatthew Palmerも同様の問題を認識しており、GPL第3版が公開されれば、一部のフリーソフトウェアプロジェクトが枝分かれするかもしれないと心配する。「GPL第3版のリリースとともに、プロジェクトにまとまりがなくなるおそれがある」(Palmer)

 Palmerは、一部の開発者は、製品ライセンスにGPL第2版もしくは第3版のどちらかのみを選択し、ほかの開発者は複数ライセンスの適用を考えるかもしれないと指摘している。この結果、各種プロジェクトが「ライセンス互換のない枝分かれ状態」(Palmer)となる可能性があるのだ。

 これを受け、FSFの法律顧問Eben Moglenは米国時間24日、GPL第3版はLinux開発者と協力しながら開発するので、ライセンスの移行に問題は生じないと述べた。

 「問題が起こるとは考えていない。FSFが作業を終え、GPL第3版のDiscussion Draft(検討用試案)を作成した後、公示期間を延長して広く意見を募る予定だ。人々が望む限り、意見を聞こうと思っている」(Moglen)

 Moglenによれば、GPL第3版には、各国の著作権法や特許侵害を考慮に入れた変更が追加されるという。

 またMoglenは、GPLは「数十億ドル規模の産業」を支える基盤であり、その次期バージョンに大きな関心が集まるのも無理はないと語る。「これほど大きな市場になると、関係者も増えるし、興味を持つ人も多くなる」(Moglen)

 Moglenは、GPL第3版のリリース時期は特定できないとしたが、2006年か2007年には公開される見込みだと述べている。GPL第3版が利用可能になれば、だれもがその結果に満足するだろうと、Moglenは自信をのぞかせた。

 「GPL第3版が公になれば、人々は『前のものよりいいじゃないか。内容もそれほど変わらない。あの大騒ぎは何だったのだろう』と言うはずだ。わたしたちは自分たちの仕事を熟知しており、心配は無用である」と、Moglenは話す。この発言は、同氏の以前の話に呼応している。Moglenは、リリースまでの過程では「非難の嵐が吹き荒れることもあるかもしれないが、すべてが終わったとき、やはりこれで正しかったのだと理解してもらえる日が来るだろう」と述べていた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
ビジネスアプリケーション

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

  • デジタル変革か?ゲームセットか?

    デジタルを駆使する破壊的なプレーヤーの出現、既存のビジネスモデルで競争力を持つ
    プレイヤーはデジタル活用による変革が迫られている。これを読めばデジタル変革の全体像がわかる!

  • ビジネスの継続的な成長を促す新たなITのビジョン

    多くの企業においてITに求められる役割が、「守り」のコスト削減から「攻め」のビジネス貢献へとシフトしつつある。その中でIBMが提唱する新たなビジョンEnterprise Hybrid ITとは?

連載

CIO
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
企業決算を追う
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化