日本ドキュメンタムは、4月18日、EMCの提唱する情報ライフサイクルマネジメント(ILM)を強化するための製品として、「Documentum 5.3」を発表した。
同製品はエンタープライズ・コンテンツと呼ばれる、データベースや電子メール以外の文書、ビデオ、写真といった雑多なデータを適切な形で管理するためのソリューションである。
特長は、「フェデレーション・サーチ」と呼ばれる新たな検索機能や、「コラボレーション・サービス」というグループワークを効率化する機能を備えたことにある。「フェデレーション・サーチ」は、企業内外のさまざまなリポジトリ、データベース、ファイルを横断的に検索する機能で、「FileNet」「Open Text」「SAP」などとの統合も可能であるという。「コラボレーション・サービス」は、メンバー情報共有のための掲示板、注釈付加機能、目的別フォルダ構造、「ルーム」と呼ばれるチーム作業用のワークスペースなどの機能を、Documentumと統合した形で提供するものだ。
米EMCコーポレーション EMCソフトウェア バイスプレジデント マーク・ルイス氏 |
さらに、ビジネス・プロセスの設計・構築ツールが付加されており、エンタープライズ・アプリケーションや外部メッセージングツールなどの外部アプリケーションとの統合によって、ビジネスプロセスに合わせた情報管理が可能になる。
米EMCコーポレーション EMCソフトウェア バイスプレジデントのマーク・ルイス氏は、「Documentum 5.3」の導入によって、プロセス/コンテンツ/リポジトリの統合が可能になり、ユーザーの利便性・生産性の拡大に加えて、コンテンツ管理のコスト削減が可能になると強調。また、ビジネスプロセスとの統合やコラボレーションの強化によって、企業はタイムツーマーケットで製品やサービスを提供できるようになると説明した。
同時に、マーク氏は、EMCの将来的なソフトウェア戦略についても説明。EMCでは、エンタープライズのストレージ環境を仮想化するためのソリューションとして、コードネーム「ストレージルーター」と呼ばれるネットワークスイッチを含めたソリューションを今年度第二四半期中に出荷することを予定しているという。「ストレージルーター」は、異機種環境のネットワークストレージを仮想化できる初のソリューションであり、ILMに基づく情報資産の効率的な運用に加えて、ダウンタイムゼロの無停止運用を実現できるという。
なお、米ドキュメンタムは2003年12月に米EMCに買収され、日本ドキュメンタムは米EMCの子会社となっている。