米Webroot Softwareが日本進出の準備をはじめている。同社は、スパイウェア対策ソフトSpy Sweeperの開発および販売を行う企業だ。すでに米国やヨーロッパにて、オンライン版とパッケージ版でコンシューマー向けのSpy Sweeperを販売し、500万人以上の顧客を抱えている。また、企業向けSpy Sweeperも2004年6月より販売を開始し、従業員数にして300万人が同社の製品を利用している。日本法人は5月に設立予定で、まずコンシューマー向け製品のオンライン販売から開始する。
Webroot Software 国際事業開発部 部長のジェッシー・ヤング氏は、「ウイルス対策ソフトを提供する企業がスパイウェア対策も手がけようとしているが、スパイウェア対策とウイルス対策は全く別のものだ」と述べる。「スパイウェアはウイルスより発見が困難で、除去も難しい。発見のためには個人のインターネットサーフィンの行動を把握する必要があり、ウイルス対策よりも多大な時間と研究が必要となる」とヤング氏は説明し、Webrootが過去3年に渡ってスパイウェア対策に特化した研究を続けてきたため、他社より優位性があるとした。
Webroot SoftwareのSpy Sweeper製品部長 サラ・ムード氏(左)と、同 国際事業開発部 部長 ジェッシー・ヤング氏(右) |
WebrootのSpy Sweeper製品部長、サラ・ムード氏は、具体的にマイクロソフトやマカフィー、シマンテックなどのスパイウェア対策製品(ベータ版も含む)と比較した場合、同社のSpy Sweeperはスパイウェア対策の重要な要素となるスパイウェアブロック機能や除去機能、定義データベースの数(Spy Sweeperは8万5000)などの点において、他社より勝っているとしている。「これらの機能をすべて備えているのはSpy Sweeperのみだ。定義データベースも、1週間に2度は更新している」とムード氏は説明した。
ただ、市場にはすでに無料のスパイウェア対策ソフトも出回っている。この点について聞くとムード氏は、「スパイウェア対策に取り組み始めた頃から、無料の対策ソフトは常に意識していた」と認めつつも、「無料製品にはスパイウェアのブロック機能がないケースが多く、定義データベースの更新も月1回など、あまり頻繁に行われていない」と述べた。
ヤング氏は、「NPD Groupの2004年9月の調査では、Spy Sweeperはソフトウェアの小売店販売において、全ソフトウェアの中で出荷数4位となった。スパイウェア対策市場ではシェアが60%とされている」と述べ、同ソフトが多くの支持を集めているとアピールした。現在Spy Sweeperの売上は、オンラインからのダウンロードが40%、店頭でのパッケージ販売が40%、企業版が20%となっている。
日本では、5月にまずSpy Sweeperオンライン版の販売を開始し、6月に小売店でのパッケージ販売を開始する。コンシューマー市場から参入するのは、コンシューマー市場でブランド力を高めるねらいがあるほか、「まず一般ユーザーにスパイウェアの恐ろしさを理解してもらうためだ。スパイウェアはウイルスと違い、ユーザーが気づかないままPCに入り込み、そこからデータを盗み出してしまう。次々と新しいスパイウェアが生まれていることも認識してもらわなくてはならない」(ヤング氏)としている。