ブログ、Wiki、RSSの登場によって、企業の採用する、従業員や顧客、パートナー企業とのコミュニケーション方法が明らかに変わってきた。多くの企業は、従業員にブログを利用するよう勧めたり、ユーザーが参加可能なコミュニティサイトを構築したりしている。フィードバックループ、対話のチャンス、透過性、話題性を創り出して、すべての関係者が製品開発に何らかの形で参加できるようにすることが目的だ。一例を挙げれば、salesforce.comは5月13日にこの手のブログを公開している。同社がホスティングするCRMアプリケーションのユーザーインターフェースについて、そのデザインプロトタイプを掲示し、フィードバックを受けるためだ。「われわれの顧客はみんな同じバージョンのアプリケーションを使っている。だから、アプリケーションを変更する場合には顧客も開発プロセスに引き込みたい」とsalesforce.comのマーケティングディレクタであるJamie Grenneyは述べる。デザインに関するフィードバックを受けるために開設されたブログには、ユーザー(同社によると、サブスクリプションサービスの利用者は26万7000人いるという)のために3つのデザイン案が掲載されている。ユーザーは、これらのデザインにコメントできるようになっている。重要顧客からの意見を取り入れたいと考える企業は今後、このようにブログを利用して一般からのフィードバックを受け付けるというプロセスを当たり前のように実施するようになるだろう。しかし、これはオープンソースのプロジェクトではない。そのため、製品について「オープンな」プロセスを適用しようと思っても限度がある。バーの色をブルーにすべきかピンクにすべきか、あるいはテキストを上に表示すべきか下に表示すべきかなどといった問題は重大ではない。また、企業が所有する独自情報の開示につながるものでもない。それでも、フィードバックが企業によって採用され、その過程でユーザーコミュニティが盛り上がりを見せ、それなりの権威を持つようになるのであれば、こうしたコミュニティ作りも悪くないだろう。

ユーザー参加型の製品開発の時代へ
ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)
関連ホワイトペーパー
- 【事例】経費申請60万件/年の処理をクラウド移行、目覚ましい柔軟性と効率性を手に入れた大成建設
- 【事例】スマホによるペーパーレス化で年間約200時間の業務を削減へ--ある経理部の挑戦
- インフラ運用のビジネス戦略/IT投資プランの策定に役立つ、ガートナーが示す実行すべき3つのアクション
- ガートナーがビジネス・リーダーに贈る、失敗しない「IT戦略プランニング」 7つの重要ポイント
- クラウドシフトによる内製化で「経理DX」を実現、常石グループのペーパーレス化の取り組みを紹介
- 中堅中小企業のIT投資、増加率トップは「セキュリティ対策」
- 人気カテゴリ
- 経営
- セキュリティ
- クラウドコンピューティング
- 仮想化
- ビジネスアプリケーション
- モバイル