Windows XP Service Pack 2(SP2)が動作するコンピュータは、XPやXP SP1が動くマシンに比べて、最も危険なマルウェアに感染する確率が15分の1になったことを、Microsoftのセキュリティ分野の第1人者が明らかにした。
同社のマルウェア対策製品チームを率いるJason Garmsは米国時間24日、SP2のパフォーマンスを社内分析したところ、このような改善が明らかになったと述べた。
昨年8月にリリースされたSP2では、自動更新機能がデフォルトで有効になり、また各種のセキュリティコントロールが「セキュリティセンター」にまとめられた。
Garmsは、オーストラリアのComputer Emergency Response Team(AusCERT)が主催したカンファレンスで講演を行い、「Windows XPやXP SP1が搭載されたマシンでは、感染率の高い上位20種のワームがインストールされている確率が、XP SP2の動作するマシンの15倍も高かった」と述べた。
同氏によると、自動更新機能がデフォルトで有効になったため、ユーザーにとって劇的な違いが生まれたという。
「Microsoftがパッチをリリースした数日後には、大半のWindowsが最新の状態になる」(Garms)
Garmsはまた、Microsoftがエンタープライズ向けのスパイウェア対策ツールのリリースを計画していることも明らかにした。この製品は現在、同社のウェブサイトからベータ版が入手可能となっている。ただし、この新しいツールの投入日や、これが無償ユーティリティになるのか、それとも別売りのアプリケーションになるのかについては、同氏は明らかにしなかった。
「われわれには現在、エンタープライズ向けのスパイウェア対策製品を用意する計画を進めている。だが、製品と提供形態の詳細はまだ決まっていない」(Garms)
同氏はさらに、Windowsのエラーレポートツールから抜粋したデータを引き合いに出し、クラッシュの3分の1以上はスパイウェアが原因だと思われると付け加えた。同ツールは、アプリケーションのクラッシュ時にデータをMicrosoftに送信するもの。
「スパイウェアの大きな問題としては、システムのクラッシュ、動作の大幅な低下、予想外の動作などがある。われわれは、多数の報告を受けたクラッシュのうち、どれだけが実際にスパイウェアによるものなのかを調べてみた。すると、これらのマシンの少なくとも3分の1にはスパイウェアがインストールされていたことが分かった。これは大問題だ」(Garms)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ