日本オラクルは5月30日、ERPシステムの導入を検討中の顧客向けに、現行システムを正確に把握する分析サービス「モデリング・サービス」の本格提供を6月1日に開始すると発表した。同サービスは2004年末に試験提供を開始して以来、これまで10社以上が利用したという。
従来のERPシステム構築作業について、同社は「現行システムやデータの解析前に構築を進めていたため、機能の漏れや追加要件の発生によるプロジェクトの長期化リスクがあった」と指摘する。それに対し、モデリング・サービスでは、現行の業務とシステムを“データの視点”から詳細に分析することで、新システム導入時のリスクを軽減できるという。
分析作業には、従来のようなプログラムソースやデータベース定義書などのドキュメントではなく、実際の画面や帳票を用いる。その結果、「業務フローや、論理データモデル図といった成果物を短期間で作れる」(同社)。
同社では、「こうした現行システムの分析結果から、新システムに必要な追加機能を明確化でき、見積もりに対して正確な評価が行える。また、モデリングはデータ中心で行うので、システム要件によるぶれ幅の少ない新システム構築が可能となる」としている。
同社は、2006年5月までに50社へのサービス提供を目指す。