Intelは米国時間17日、今後決定される仕様も含めたWi-Fi規格をすべてサポートするチップ技術を公開した。これにより、同社はワンチップであらゆる無線規格に対応するというビジョンの実現に1歩近付いたことになる。
このワンチップ技術のプロトタイプは、現行の802.11aだけでなく、802.11nに盛り込まれる仕様要求も含んだWi?Fi規格をサポートする。同社では、さまざまな無線規格に対応する1つのチップを提供するという目標を掲げており、このCMOSによるダイレクト変換デュアルバンドトランシーバはその実現に向けたものだ。
「このソリューションでは帯域幅が可変となっており、そのために性能が今日の20MHz〜100MHzを超えて拡張される。また、サポートされるデータ転送速度が100Mbpsに達するため、ユーザーは高画質のストリーミングビデオを複数同時に楽しむことが可能となる」とIntelのKrishnamurthy Soumyanath(コミュニケーション・サーキット・リサーチ・ラボ、ディレクター)は述べている。
現行のデバイスでは、専用の無線信号を使って、無線LANや無線WANのような特定のネットワークに接続する。しかしIntelでは、デバイス1台ごとに無線チップを1個ずつ搭載するのではなく、いくつかの異なる無線信号に対応するチップを搭載したモバイル機器でWi-Fiネットワークにアクセスするようになると予想している。
Intelは、日本で行われた「Symposium on VLSI」でこの技術を発表した。同社は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)標準を中心にしてこの技術をつくり出した。
Intelは、この技術をCMOS標準に結びつけることで、製造コストを低く抑えると同時に、チップを大量生産する能力を持てることになる。
Intelは、同社のチップ技術をパッケージ化したシステムにバンドルし、省電力化とバッテリの駆動時間延長を実現している。このパッケージ化したシステムは、低コストでデバイスへ組み込めると同社は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ