IBMおよびHewlett-Packardが、Unixサーバの世界市場で長年トップの座を守ってきたSun Microsystemsを僅差で追い抜いた。ただし、情報源によってこの判断は分かれている。
IDCの調査によれば、2005年第2四半期におけるIBMのUnixサーバ売上は、市場全体の43億ドルのうち31%を占め、HPは同30%、Sunは同29.5%となったという。Sunはこれまでも任意の四半期に首位を奪われたことがあったが、第2四半期では常にトップを守ってきた。第2四半期は、カリフォルニア州サンタクララに拠点を置くSunの会計年度では最後の期に当たり、通常この時期の同社の売上は堅調であった。
IDCは、米国時間8月26日に調査結果を明らかにした。一方、同社と競合するGartnerも、24日に同様の調査に関する発表を行ったが、ここではSunがUnixサーバ市場の首位を守ったことになっている。Gartnerの見積もりでは、全体で42億ドル規模の同市場におけるSunの売上割合は33%、HPおよびIBMの同割合はそれぞれ29%、28%とされた。
両社の予測は正確なランキングについては一致しないものの、全般的な傾向に関する見方はほぼ同じだ。IBMがSunの売上を浸食しつつあるというのである。例えばGartnerは、IBMのUnix関連売上は33%増加しているのに対し、HPの同売上は6%増えただけで、Sunに至ってはこれを7%下げたと見ている。
Sunでは、「量が量を生む」として、市場観測対象は売上金額ではなく出荷台数であるべきだと考えている。サーバの売上台数が多いということは、将来的に同社製品を購入する可能性のある顧客の数も多いということだと、Sunは主張している。
出荷台数を観測基準とするのは、Sunにとっては好都合だ。IDCのアナリストJean Bozmanも、「出荷台数に関しては、Sunは常にIBMおよびHPを上回っている」と話している。
Unixサーバ市場は、サーバ市場全体の中で主要な部分を占めている。IDCの調べでは、第2四半期における同市場の成長率は5.6%で、122億ドル規模に達したという。Unixサーバでは、企業間の金融取引や大規模データベースの稼働といった過酷なタスクを処理することが多く、またこうしたハイエンドなシステムは、ひいてはストレージシステムおよびソフトウェア、各種サービスの販売につながっていく。
価格帯が2万5000ドルから24万9999ドルまでのミッドレンジUnixサーバの売上は、第2四半期中に15.6%上昇し、50万ドル以上するハイエンドシステムは19.2%増加したと、Bozmanは述べている。
GartnerおよびIDCは両社とも、IBMを市場全体のリーダーと見ており、これにHP、Sun、Dellがそれぞれ続くと考えている。
- Linuxサーバについて、Gartnerは売上42万ドルのIBMが市場トップにつけたと、結論付けた。同市場は第2四半期に32%成長し、15億ドル規模となった。同市場の2位、3位につけたのはHPとDellで、それぞれの売上は36万3000ドル、25万3000ドルだった。
- ブレードサーバ市場は、567%成長し、4億1900万ドル規模になったとGartnerは述べる。同市場においても、IBMがシェア42%でトップにつけている。2位のHPは34%、3位のDellは8%の市場シェアを獲得した。
- x86サーバ(IntelのXeonや、AMDのOpteronなどのサーバプロセッサを利用しているもの)の分野では、HPが首位の座を守ったとGartnerはいう。59億ドル規模の同市場において、HPは20億の売上を上げている。なお、Dellの売上は13億ドル、IBMのそれは10億ドルだった。x86サーバの市場に積極的に乗り出したSunの売上は1億800万ドルで、まだ有力なプレイヤーとなるには至らない。だが、同社の売上は192%も成長しており、この市場で6位に食い込んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ