Microsoftは米国時間9月2日、一部のハイエンドなタスクにおいてのみ、Windowsの「Longhorn Server」バージョンでIntel「Itanium」プロセッサをサポートする予定であることを明らかにした。
Intelはここ数年、上位マーケットである強力なマルチプロセッササーバ市場向けの主力製品としてItaniumを位置付けてきたが、当初もくろんでいたような成果は上がっていない。Itaniumサポートに対するMicrosoftの姿勢は、Intelのこうした苦しい立場を如実に物語っている。
Microsoftの関係者は声明で、「Itanium対応のLonghorn Serverでは、すべての作業が処理できるわけではない」と述べている。
同オペレーティングシステム(OS)は、データベース、カスタムジョブ、企業会計やCRMなどの事業区分別アプリケーションという、3種類のハイエンドタスク向けにデザインされたものだ。Microsoftのウェブサイトでは、同OSは「ファクスサーバ、『Windows Media Services』、『Windows SharePoint Services』、ファイルおよびプリンタサーバなど」のタスクは扱えないとされている。
今回のMicrosoftの動きは、Itaniumに対する期待はあまり大きくないことを新たに裏付けるものだ。リリースの遅れ、低いパフォーマンス、IntelのXeonやAdvanced Micro DevicesのOpteronなどのx86系プロセッサ搭載サーバとのソフトウェア非互換性など、Itaniumには問題が山積していた。初期の問題の大半はすでに修復されたものの、x86系サーバの性能も向上しており、IBMもItaniumサーバ開発を中止してしまった。もっとも、Itanium推進団体はまださじを投げておらず、今もItanium市場を拡大しようと努力している。
Microsoftは、LonghornでItaniumプロセッサの役割を制限したのと合わせて、2005年末にリリースが予定されているサーバOSのアップデート版「Windows Server 2003 R2」でもItaniumはサポートしない意向だ。
R2に搭載される機能は主にローエンドサーバ向けに設計されていると、Microsoftは話している。同機能の焦点は、IDおよびアクセス管理、ブランチオフィスサーバ、ストレージシステム構築および管理などに絞られているという。
なお、Itaniumに対応している製品には、Novellの「Suse Linux Enterprise Server」やRed Hatの「Red Hat Enterprise Linux」がある。またHewlett-Packardも、自社の「OpenVMS」「NonStop」だけでなく、同社版Unixの「HP-UX」でもItaniumをサポートしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ