ICカードを利用したオフィスセキュリティのスタンダードを目指す企業連合「SSFC(Shared Security Formats Cooperation)」(事務局:大日本印刷)の参加企業12社は、新たなセキュリティモデルシステムを開発した。
今回のモデルシステムは、ドアゲートシステム/ネットワークプリンタ/オフィス家具/監視カメラの4つの動作を、すべて1枚の非接触ICカードで可能にするもの。通常の監視カメラが時系列で映像を記録するのに対し、新システムでは、ゲート通過時、プリンタ利用時、ロッカー利用時に、社員の顔画像を監視カメラで撮影してデータベース化。また、ICカードから読み取った社員番号もインデックスとしてデータベース化する。これによって、情報漏えいが発生した際に社員個々の行動を追跡調査できるとともに、従業員が不正行為を行っていないことを証明する際にも利用できる。
また、社員の入退場管理を厳密に行うためには、共連れ(他者のICカードチェック時に複数の社員が同時入場すること)を防止する必要があることから、入場時にドアゲートシステムの各種情報を非接触ICカードに書き込み、この情報が書き込まれていないと、プリンタやロッカーが動作しないような仕組みとなっている。
従来、ICカードによって利用制限を行う製品は、カード内部のデータフォーマットが各社で異なっているため、複数のICカードを持つことになり、利便性とセキュリティ上の問題が生じていた。SSFCでは、メーカーにとらわれない相互運用性を確保しつつ、より高度なオフィスセキュリティシステムの構築を目指し、ICカード内部のデータフォーマットの一部を共有化、これに準拠して各社が製品開発を行っている。現在の参加企業は75社。各社は順次、SSFC仕様に準拠したシステムを販売する予定。