サンフランシスコ発--当地で開催中の無線技術展示会「CTIA」で、Microsoft、Nokia、Intelの幹部が講演し、モバイルワーカー時代の到来はもはや時間の問題であると口を揃えた。
「これまでモビリティ(移動性)は、一部の幹部クラスのビジネスマンのみが利用する技術だった」と、Nokiaのシニアバイスプレジデント兼エンタープライズソリューション担当ゼネラルマネージャMary McDowellは、25日に行なったCTIAでの基調演説の中で述べた。「今こそ、誰もが利用できるようにすべきだ」(McDowell)
多くの大企業は、モビリティこそ生産性向上の鍵と見ている。モバイル機器、スマートフォン、Pocket PCを利用することにより、ビジネスマンは外出先からでも企業ネットワークに接続し、オフィスのデスクで普段使用している多くのアプリケーションを利用できる。
多国籍広告/メディア企業WPPのIT Asia Pacific担当リージョナルバイスプレジデント、Peter Johnstonは、6500人の従業員全員にモバイル機器を携帯させ、外出先から電子メールのチェックやアプリケーションのダウンロードを行なえるようにしたいと考えているという。しかし同氏は、そのような技術がすぐに利用開始できる状態にあるのか未だ半信半疑だ。
CTIAで基調演説を行なった1人であるJohnstonは最近、出張先でNokiaの最新モバイル端末「Nokia 9300」を試験的に使用した。同氏は、計8機の飛行機に乗って4カ国を訪問し、6カ所の空港内で同モバイル機器を使ってメールサーバへのアクセス、返信メールの送信、添付ファイルの表示を行なった。同氏は香港、タイ、オランダ、スペインの4カ国を歴訪中、異なる携帯電話事業者が運営する9つのネットワークを利用した。その結果、同氏は、Nokiaおよび、それらのモバイル機器の利用を可能にする3Gサービスを提供している携帯電話事業者は、まだ多くの課題を抱えており、モビリティの大衆化に向けた道のりは遠いという判断を下した。
Johnstonは「耐障害性がまだ不十分だ」としながらも、「Nokia 9300は大変優れたツールだ。サービスがシームレス化すれば、さらに優れたツールになると確信している」と語った。
Johnstonが発見した大きな課題の1つは、モバイル機器を異なる通信事業者が運営するネットワーク上で利用可能にするという点だ。一部の事業者が優れたサービスを提供していても、同一地域内の別の事業者がそのようなサービスを提供していなかった。同氏は、タイやスペインのバルセロナに滞在中、適切な信号を見つけるために手動でプロバイダを変更しなければならないことに気付いた。企業の最高情報責任者(CIO)やIT担当者にとって、手動で機器の設定を変更することは簡単だ。しかし、自分が使用しているモバイル技術は特に何もしなくても全て自動で動作すると考えている普通のビジネスマンにとって、この作業は受け入れ難いものだ、と同氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ