バルセロナ発--JBossは現地時間11日、近日中に「Drools」と呼ばれるビジネスルールエンジンを、同社のオープンソースソフトウェアスタックに追加することを発表した。
JBossの設立者でありCEOであるMarc Fleuryは、バルセロナで開催された「JBoss World」の基調講演において、同社は顧客の要望に答えDroolsと連係していくことを決めたと述べた。
FleuryはDroolsについて、日本のトヨタやフランスのSociete Generale銀行を含む多数の大企業ですでに利用されている、「非常に成熟した」プロジェクトだとしている。JBossはDroolsの創始者で主要開発者である人物を雇用しており、2006年第1四半期には製品サポートおよびサービスの提供を開始する予定だ。
Droolsは、パターンマッチングアルゴリズム「Rete」の技術を利用したルールエンジンである。Drools開発チームは、JavaやPython、Groovyといったオブジェクト指向のプログラミング言語でReteが利用可能なことから、同アルゴリズムを採用することにしたという。
Fleuryの基調講演で使用されたスライドでは、Drools製品が「JBoss Rules Engine」と称されていたが、JBossは同製品本来の名称を残す可能性が高いとFleuryは述べた。「ブランド名を変更するかどうか、まだ定かではない。わたし個人はDroolsという名前を気に入っている」(Fleury)
Droolsは、JBossが同社のオープンソーススタック「JBoss Enterprise Middleware System(JEMS)」に追加する外部プロジェクトとしては最新のものとなる。これまでJEMSに追加されたオープンソースプロジェクトには、Webサーバ「Apache」や永続化フレームワーク「Hibernate」、オープンソースワークフローエンジン「JBPM」などがある。
JBossの欧州ゼネラルマネージャSacha Laboureyは現地時間10日、同社はいずれミドルウェアの枠を超えていくと、ZDNet UKに対して語った。「われわれの活動の焦点が拡大するにつれ、ミドルウェア分野に限らず、他の領域でも何らかの価値を提供していくようになるだろう。もっとも、統合化やレポート機能の改良など、ミドルウェア分野で取り組まねばならないことはまだ多く残っている」(Labourey)
JBossはまた、現地時間11日に同社のワークフローエンジンの新版であるJBPM 3.0をリリースした。JBPM 3.0は、ホットプラグが可能なアーキテクチャや、単純化された永続化機能、拡張が施されたタスクマネジメントなどを備えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ