IBMは米国時間10月12日、オープンソース団体Eclipse Foundationに対し、ソフトウェア開発プロジェクトの組織化に関するドキュメントやコードを寄贈したことを明らかにした。
IBMによれば、同社が寄贈したドキュメントやコードは、「Project Beacon」と呼ばれるオープンソースプロジェクトの基盤として利用される計画だという。Project Beaconは現在、提案段階にあり、向こう数カ月以内に採択される予定だという。商用ソフトウェア企業やコンサルティング会社を含む、およそ15の組織が、Project Beaconの成果物を利用する意向を表明している。
IBMは、ソフトウェア開発に関連する知的財産の一部をEclipseに寄贈することによって、同社が開発したソフトウェア開発プロセスや方法論の利用を奨励したいと考えている。IBMのRational部門でマーケティング担当バイスプレジデントを務めるRoger Obergによれば、同社はEclipse参加者がもたらす成果の恩恵を受ける立場でもあるという。
「開発における最も優れた基本プロセスを所有しているのは誰かということを言い争っても、勝者は決まらないだろう」と述べるObergは、「われわれができることは、基本プロセスとなるフレームワークのコントロールではなく、オープンソースコミュニティが行うことの手助けだ。そして、他のソフトウェアベンダーも、われわれと同じことができるはずだ」と付け加える。
寄贈されたコードは、「Rational Unified Process(RUP)」のおよそ15%にあたる。RUPとは、プロジェクトの立ち上げや、テスター/プログラマ/プロジェクトマネージャといった役割のメンバーへの割り当てに関して、長年培われてきた開発方法論をまとめた開発ツールである。IBMはまた、よく使われる用語や役割分担、基本となるプロセスをカスタマイズするためのツールに言及したドキュメントも寄贈している。
Obergによれば、開発者は例えば、基本となるRUPを修正し、アジャイル開発といったさまざまな方法論にこれを対応させることができるという。
今回のコードの寄贈は、ベンダーのコンソーシアムとして設立され、後にオープンソース団体となったEclipse Foundationに対してIBMが行ってきた数ある貢献活動のうちの1つである。
同団体のメンバーの大半は、Eclipseソフトウェアを自社の基本開発ツールとして採用したソフトウェアベンダーだ。Javaプログラマの間で人気を得ているEclipseソフトウェアは、他のツールを追加可能な基本フレームワークである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ