日立システムアンドサービス(日立システム、中村博行執行役社長)は、USBを利用して情報家電や携帯電話などの情報機器間のデータ通信を実現する「EmMeisterU ホストプロトコルスタック版」の販売を開始した。
USBを使った通信は、「ホスト機能」をもつPCと、「デバイス機能」をもつ周辺機器で行うことが一般的だった。ところが、テレビにマウスを接続するなど、情報家電とPC周辺機器をUSBで接続し、直接データをやり取りするといったニーズが増加。PCを仲介しない情報家電と周辺機器との接続では、情報家電側に「ホスト機能」を持たせる必要がある。そこで今回、この「ホスト機能」を情報家電に持たせることができるソフトウェアパッケージ「EmMeisterU ホストプロトコルスタック版」を開発した。
新製品は、プロトコルスタック内部を階層構造化することにより、ホスト機能を組み込むのに必要な階層のみをカスタマイズできるようにした。また、デジタルカメラや携帯型音楽プレーヤーなどに適用ができ、「クラス」と呼ばれるUSB機器の通信手順の中でもユーザーニーズが高い「マスストレージクラス・HUBクラスライブラリ」を添付した。さらに、組み込みOSの「μITRON4.0」もサポートする。
このほかの特徴は、(1)組込み向けリアルタイムOSに対応、(2)USB2.0のHighSpeed転送をサポート、(3)キーボードやマウスの接続を実現するHIDクラスをサポート、(4)カスタマイズを容易にするソースコードを提供―─など。
同社では、「EmMeisterU ホストプロトコルスタック版」のパッケージと関連ソリューションを合わせて、今後2年間でおよそ2億円の売り上げを見込む。