オープンソースを積極活用し、コストと信頼性の両立を目指す(前編) - (page 2)

小林正宗(月刊ソリューションIT編集部)

2005-11-15 15:00

 利用者が増えると、当然、それに相応するストレージやDB、ネットワークが必要になる。オンラインラボ稼働当初の2001年、1テラバイトだったストレージも、現在は10テラバイトにまで増えている。しかも、これは論理容量なので、物理的には25テラバイト程度ある計算だ。

 また、通常の業務ならアクセス数はある程度予測できるが、各種割引キャンペーンを展開した場合や、年末の年賀状作成時期ともなると、予想を上回る負荷がシステムにかかってしまう。そういったピーク時への対応は不可欠だ。

 さらにKMPIは、今年に入りプロ写真家向けのサービスも開始した(表1参照)。これは、スポーツイベントで大量の写真を撮ったプロ写真家が、画像をKMPIのサーバーにアップロード。サイトを見た個人からの要望に応じ、同社がプリントして個人宛に送付するものだ。プロ写真家は、当然コンシューマーより写真やサービスへの要求水準が高く、サービスの継続性や障害対応に敏感だ。それに対応し、システムを支えるWebサーバーやDBMS、ストレージの性能を向上させる必要があった。

表1 オンラインラボサービスの内容

オープンソースを
積極的に活用

 以上の状況に対して、KMPIは単にハイエンド向けストレージを導入するするわけにはいかない事情があった。

 オンラインラボでは、通常1枚数十円、プロ写真家向けでも1枚数千円で、プリントを請け負っている。取引額が小額すぎるため、ストレージに数億円もかけてしまうと、投資回収できなくなる。そこでこれまでは、米国や台湾のベンダが提供している、比較的安価なストレージを自社で導入。保守・運用を実施してきた。

 システム構築におけるコストの抑制は、KMPIにとって欠かすことができない要素だ。そのためコスト面を重視し、従来からオープンソースを積極的に活用してきた経緯がある(表2参照)。たとえば、Webサーバーには「Apache」、サーバーOSには「FreeBSD」、RDBMSには「PostgreSQL」といった具合だ。

表2 オープンソースの検討・採用経緯

▲コニカミノルタフォトイメージング
事業推進室長
フォトソリューショングループ
飯塚宏之課長

 KMPI事業推進室フォトソリューショングループの飯塚宏之課長は「当初はコストを重視してオープンソースを採用したのですが、使っているうちに、それ以外にも様々なメリットが見えてきました」と説明する。

 第1は、情報セキュリティだ。汎用的な商用製品だと、ハッカーの攻撃対象となるケースが多く、セキュリティパッチの配布も遅いと言われている。オープンソースの場合、パッチの配布スピードが早い上、個別のコミュニティ活動が活発なので、セキュリティホール等の情報を入手しやすい。

▲コニカミノルタフォトイメージング
事業推進室長
フォトソリューショングループ
五十嵐隆史係長

 第2に開発生産性の高さがある。同グループの五十嵐隆史係長は「そもそもオープンソースのPHPは、Webサーバーを作るために開発されたような言語なので、JavaやCに比べて効率的にソフトを組むことができます。大規模開発には適さないかもしれませんが、当社のような単一サービスを提供するWebサイト構築には向いています」と話す。

 第3はメンテナンス性だ。ソースコードが開示されているので、ブラックボックス化することがない。何か不具合が起こった場合、自社でソースコードを確認し、場合によってはすぐに改変できる。商用ソフトのように、ベンダの都合で対応が遅くなることはない。

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