日本ヒューレット・パッカード(日本HP、小田晋吾社長)とソラン(千年正 樹社長)は、「DSpace日本語版スタートパッケージ」を共同開発、12月1日に 発売する。大学や研究機関、文化財保護機関のデジタル・コンテンツ・リポジ トリー構築を支援するもので、論文や研究資料、文化財などのデジタル・コン テンツの長期保存・管理、公開、情報共有のためのシステムを容易に構築・導 入できる。
DSpace日本語版スタートパッケージは、「DSpace」日本語版と、コンテンツ ・リポジトリーの構築に必要なハードウェア、ソフトウェアおよび各種サポー トをワンパッケージにして、日本の大学・研究機関向けにカスタマイズしたも の。学術コンテンツ・リポジトリーで世界標準となりつつあるDSpaceを用いた システムを容易に導入できる。
税別価格は250万円から。価格は導入するハードウェアの機種などにより異 なる。また、オプション(別途見積もり)として、導入機関ごとの独自のニー ズに対応するカスタマイズサービス、データエントリーサービス、保守・メン テナンスサービス、バックアップソリューションサービスなども提供する。
DSpaceは、HP研究所と米マサチューセッツ工科大学(MIT)が00年より共同 で研究・開発してきたオープンソースのデジタル・コンテンツ・リポジトリー 構築ソフトウェア。現在は、MITと英ケンブリッジ大学を中核メンバーとする オープン・コミュニティ「DSpace Federation」が開発・運用している。
テキストデータをはじめ、イメージ・音声・動画・ウェブページなど、デー タ形式を問わずコンテンツの長期保存が可能で、各コンテンツのタイトルや著 者、公開日時などを含む書誌情報データ(メタデータ)の世界標準「Dublin Core」に対応しているため、保存した情報の共有や交換をグローバル規模で行 える。すでに、ケンブリッジ大学が論文からバイオテクノロジーに関するデー タまで10万件のコンテンツを、DSpaceを用いたリポジトリーで管理している。 また、日本でも国立情報学研究所(NII)などを中心にDSpaceの導入が検討さ れている。