ポルノグラフィックコンテンツを装う新たな電子メールワームがまん延し、世界のウイルスチャートのトップに躍り出た。
同ワームはWindows PCで動作し、みずからを共有ネットワーク内に複製して、標的としたコンピュータに保存されている電子メールアドレス宛に自分の複製を送信する。ウイルス対策ソフトウェア企業F-Secureによると、同ワームは時限式攻撃を仕掛けるようにプログラムされており、月の第3日目に、ウイルス対策ソフトウェアおよびファイアウォールを無効化し、「Office」ドキュメントをはじめとする特定種類のファイルを削除するよう設定されているという。
F-Secureが「W32/Nyxem-E」と呼ぶ同ワームは、電子メールメッセージに添付されて送信されてくる。メールにはさまざまな件名が付与され、中には「School girl fantasies gone bad」などといったものもある。本文の内容も多様だが、古代サンスクリットの書物で、性交の体位を表わす絵や説明が掲載されているカーマスートラに言及している場合がある。
ウイルス対策ベンダーSophosのシニアテクノロジーコンサルタントGraham Cluleyは、「このワームは、デスクトップコンピュータでわいせつなコンテンツを閲覧したいという人々の欲望を利用している」と、声明の中で述べた。
F-SecureおよびTrend Microによれば、Nyxem-E(Trend Microは「Grew.A」と称している)は過去24時間で最も多く観測された脅威だったという。同ワームは感染数をカウントする仕組みを独自に持っており、米国時間1月21日の時点でこれに感染したシステムは51万台に及んだと、F-Secureは述べている。
F-Secureが同社のブログで発表した声明には、「当社の社内レポートシステムによる調査で、Nyxemが、米国からオーストラリアにいたるまで世界中で断続的に発見されていることがわかった」と記されていた。声明はさらに、「同ワームがこうした拡大ペースを維持した場合、最初の破壊行動がプログラムされている2月3日の金曜日には、深刻な事態が起こると考えられる」としている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ