日本市場への継続的な投資を約束--Business Objectsの新しいCEO、John Schwarz氏

山下竜大(編集部)

2006-02-07 00:31

 日本ビジネスオブジェクツは2月6日、「It's Time〜真のBI革新が始まる〜」をテーマに、統合ビジネス・インテリジェンス(BI)プラットフォームの最新版を同社のユーザー企業やパートナー企業向けにお披露目するイベント「BusinessObjects XI Release 2 Launchイベント」を都内で開催した。

 オープニングのステージに登場した日本ビジネスオブジェクツ 代表取締役社長の印藤公洋氏は、「企業が今後も継続的にビジネスを成長させていくためには意志決定の質を向上することが必要になる。特に、2008年3月期より施行が予定されている日本版SOX法に伴う内部統制や監査の強化は不可欠であり、これまで部門単位で取り扱っていた情報を企業全体はもちろん、企業を超えてセキュアに利用できる仕組みが必要になる」と言う。

日本ビジネスオブジェクツ 代表取締役社長の印藤公洋氏。

 このような仕組みを実現するためには、業界標準に基づいたアーキテクチャが必要であり、これまでのように分析やレポーティングの機能に加え、全社的なデータ統合のためのプラットフォームが重要になる。こうした要件により機能強化されたのが、統合BIプラットフォームの最新版であるBusinessObjects XI Release 2だ。

 BusinessObjects XI Release 2は、あらゆるビジネスユーザーや開発者、IT管理者が容易に使えるインターフェースを搭載し、情報そのものやビジネスプロセスに対する信頼性を向上、標準化された包括的かつ統合されたプラットフォームの実現により、ITコストを削減し、リターンを最大化させることを目的に数多くの機能が強化されている。

 基調講演に登場したBusiness ObjectsのCEO、John Schwarz氏は、「BusinessObjects XI Release 2は、SOA(サービス指向アーキテクチャ)をベースに、高いセキュリティ、パフォーマンス、拡張性、可用性を実現した最強のBIプラットフォーム。企業のあらゆる情報にリアルタイムにアクセス可能なデータ統合やMicrosft Officeとも連携できる高品質なレポートング、分析機能、クエリーなど、BIプラットフォームに不可欠な業界標準準拠の機能を提供する」と話す。

Business ObjectsのCEO、John Schwarz氏。

 また、ビジネス分析機能の業界標準として、全社規模で戦略的に情報を連携し、監視し、分析できるメトリック、ダッシュボード、スコアカード機能をはじめ、部門横断的なプランと予算の策定、業界別のベストプラクティスで構成される分析アプリケーションなどの機能も搭載されている。

 さらにSAPのデータを活用するための「BusinessObjects XI Built for SAP」を提供しているほか、Salesforce.comと連携するための「BusinessObjects XI Built for Salesforce.com」を新たに提供。業務プロセスとデータ資産を融合させる「BusinessObjects XI Built for Operational BI」も提供されている。

 Schwarz氏は、「Business Objectsでは製品以外にも、グローバルなサポート体制とサービス、トレーニング、コンサルティングを強化することで、ユーザー企業がBI導入を成功させるための投資を継続している」と話している。

 Business Objectsは2月1日、2005年会計年度の年間業績を発表。年間総売上高は、2004年度から16%増加して、10億770万ドルに達したことを明らかにした。「10億ドル企業の仲間入りをしたBusiness Objectsは、今や最大のBIソリューションベンダーといえる」とSchwarz氏。同社は、現在3万5000以上のユーザー企業を持ち、4500人の従業員と経験豊かな経営陣により、サービスをグローバルに展開できる体制を確立している。

 最後にSchwarz氏は、日本市場への継続的な投資を約束。「Data Integrator XI Release 2やCrystal Xcelsiusなど、高品質で完全にローカライズされた製品をタイムリーに日本市場に投入していく。また、パートナー企業とのエコシステムを拡大し、サービスの提供と能力の強化により、顧客中心のアプローチを確立したい」と話している。

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