Debian Linuxプロジェクトの生みの親であり、同Linux OSの商用化を進めるProgenyを創業したIan Murdockが新しい役職に就き、Linuxの標準化に取り組むことになった。
Murdockは今月に入って、「Free Standards Group」の最高技術責任者(CTO)ならびに同グループの「Linux Standard Base(LSB)」ワークグループ議長に就任したことを自身のブログの中で明らかにした。
LSBの活動目的は、Linuxの構成要素の一部を標準化し、ソフトウェアメーカーが「Red Hat Enterprise Linux」やNovellの「SuSE Linux Enterprise Server」などのバージョン間の違いをさほど気にしなくてもよいようにすることだ。しかしLSBの長年の努力にもかかわらず、ソフトウェア開発元やハードウェアメーカー各社は、いまだに特定バージョンのLinuxにしか動作保証をしていない。
それでも、Murdockはこれまでよりも大きな成功を収めると予想している。「今年は、LSBを初めとする標準化のためのさまざまな活動が一気に成果を出す年となるだろう。その一役を担っていることに大きな喜びを感じる」と彼はブログの中に書いている。
2006年の活動計画の中には、デスクトップ用Linuxに特有の構成要素を含むLSB 3.1バージョンの作成や、LSB 4.0バージョンのための方向性の決定、ソフトウェアメーカーやLinuxディストリビュータ各社の直接的な関与を増やすことの重要性を改めて訴えること、などが含まれている。
MurdockはProgenyから完全に離れたわけではない。「Progenyは優秀な社員の手に委ねている。私は『アドバイザー』という素晴しい役職で同社に関与し続けることができる」(Murdock)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ