日立製作所と北陸先端科学技術大学院大学は3月22日、無線IP電話によって人の位置を測定するシステムの稼働を北陸先端大学内で開始すると発表した。日立の位置検知システム「日立AirLocation」と、NTTドコモの無線IP電話機能付き携帯電話を組み合わせ、システムを構築した。
日立AirLocationは、IEEE 802.11b準拠の無線LAN対応端末の位置を特定できるシステム。到来時間差(TDOA)測定に基づく三辺測量を行うことで、誤差を1m〜3mに抑えている。位置検出可能な範囲は、オフィスでは30〜50m、工場では60〜100mという。
稼働するシステムは、建物各階の廊下やエレベータホールに設置されたアクセスポイントに携帯電話からの電波を受信する専用ボードを搭載し、携帯電話に定期的にパケットを送信して位置を測定する。IEEE802.11bに準拠した携帯電話であれば、特別なハードやソフトをインストールすることなく、持ち主の人の位置を測定可能な端末として利用できる。
無線IP機能付き携帯電話を持つだけで、キャンパス内における人の所在を確認できるため、学生の出欠確認などが簡単に行えるようになるという。今後は、大学などの構内における実運用とあわせ、さまざまなアプリケーション開発を実施していく予定だ。
また、北陸先端大学知識科学教育研究センターでは、工場や倉庫向けの同システムを用いた作業効率化に関する研究を進める。