サンフランシスコ発--Novellの社長Ron Hovsepian氏は、デスクトップコンピュータ用Linuxが今後12〜18カ月以内に主力市場で急増する、との予測を示した。
Linuxは、ネットワークに接続されたサーバと呼ばれるコンピュータで幅広く利用されてきたが、パーソナルコンピュータでは技術に精通したユーザー以外にはあまり普及していなかった。多くの企業は、同オープンソースOSがPCでも一気に普及すると主張してきたが、その言葉が実証されることはなかった。しかし、市場を成熟させるいくつかの変化がHovsepian氏の目には見えている。
このように大胆な予測を示すのは同氏が初めてではないが、Linuxはこれまでのところ、技術に精通した一部の人以外の間では幅広い人気を得られていない。Corel、Linspire(旧Lindows)、Eazel、そしてSUSE自身など、どの企業もまだMicrosoft Windowsの独占的立場を崩せていない。
Hovsepian氏は米国時間7日に行われたインタビューのなかで、Novellのソフトウェア、つまり同社から近日中に登場する「SUSE LINUX Desktop 10」は十分に成熟しており、3つの市場が関心を示すだろう、との考えを示した。
まず1つ目の市場が、PCのフル機能は不要で、ウェブブラウザなどの基本的なソフトウェアだけで十分だという社員を抱える大企業ユーザーだ。2つ目は、予算に直接影響するWindowsのライセンス料節約を考える小規模企業オーナーだ。そして3つ目は、ブラジル、ロシア、インド、そして中国のいわゆるBRIC各国の、価格に敏感で、Windowsにまだ大きく投資していない人々だという。Hovsepian氏によると、Windowsの著作権侵害を低減させるようプレッシャーがかかる中国は特に興味深いという。
当然ながら同氏は、流れを変える製品として自社からまもなく登場するSUSE LINUX Desktopを大々的に宣伝した。同氏は、まず2006年に規模の大きい「固定客」が同ソフトウェアを一度に3000〜5000本購入するところから始まり、2007年には売上が一段と増加する、との予測を示した。
しかし、懐疑論も残る。GartnerのアナリストSteve Kleynhans氏によると、大企業は既にWindowsのツールや技術に大きく投資しており、「既にあるものを使い続ける方が簡単な傾向にあり、その方が新しい技術に移行するよりわかりやすいアプローチだ」という。開発途上国の人々は先進国と同じソフトウェアを求めており、Windowsにはその点でまだメリットがある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ