今からちょうど2年前の2004年4月1日より、東京都交通局(都営地下鉄)および帝都高速度交通営団(営団地下鉄)では、従来より採用されていた「路線カラー」による路線の案内方法に加え、地下鉄の路線名や駅名に固有のアルファベットおよび駅番号を併記した「駅ナンバリング」方式を採用している。
たとえば路線カラーは、都営地下鉄新宿線は「黄緑色」、営団地下鉄半蔵門線なら「紫色」であり、アルファベットは新宿線なら(S)、半蔵門線なら(Z)となる。また、駅番号は原則として西または南の駅から順に「01、02、03…」と割り振られている。
こうした取り組みは、東京を訪れる国内外の旅行者はもちろん、障害の有無や性別、年齢などを意識することなく、誰にでも分かりやすく東京の地下鉄を利用してもらおうという取り組み(設計/デザイン)のひとつだ。このような取り組みは、総称して「ユニバーサルデザイン」と呼ばれている。
もっと身近なユニバーサルデザインとしては、髪を洗っているときには目が見えにくいのでシャンプーのボトルの側面に凹凸を付けることでリンスと区別できるようにしてあるとか、家電製品の主要なスイッチは他のボタンと形状や大きさを変え、やはり凸点や凸バーをつけることで区別できるようにしてあることなどが挙げられる。
このユニバーサルデザインは、ノースカロライナ州立大学のユニバーサルデザインセンター所長であり、建築家/工業デザイナーであったRonald Mace氏により提唱されたもので、「7つの原則」により構成されている。
■ユニバーサルデザインの7原則
- Equitable Use:公平に使えること
- Flexibility in Use:自由に使えること
- Simple and Intuitive:シンプルで使いやすいこと
- Perceptible Information:情報がすぐに見つかること
- Tolerance for Error:エラーが危険にならないこと
- Low physical effort:身体への負担が少ないこと
- Size and space for approach and use:利用するための十分な大きさを確保すること