それに対し、IntelはPCに仮想化技術という新しいアイデアを持ち込もうとしている。ハイエンドのサーバーではこの技術を利用して、複数のサーバで処理していた各種のタスクを1台のハードウェアに集約するといったことがよく行われているが、クライアントシステムで仮想化技術を利用する例は、まだほとんど知られていない。
vProブランド認定PCでは、1つの「サービスパーティション」をつくり、そのなかで単一の製品をホストすることが可能になる。この仮想化技術はOSの種類を選ばない。ソフトウェア企業各社は、自社の製品を動作させるために、どのOSでも組み込むことができる。たとえば、Symantecなどの企業はすでに、Linux向けのセキュリティ製品を販売している。
このサービスパーティションへの制限は意図的なもので、複数のソフトウェアの間に互換性の不一致があっても、問題が生じないようになっている。「この仮想空間では他には何も起こらないので、互換性の問題は起こりようがない。システム管理者は安心して、ソフトウェアの更新を素速く行えるようになる」(Salem氏)
Intelやソフトウェアメーカー各社の話によると、SymantecやTrend Micro、CA、Altiris、LANDeskなどのソフトウェア企業が、この技術を利用した製品の開発に取り組んでいるという。
今後数カ月の間に、Intelの「Conroe」プロセッサと新チップセット、それに同社製ネットワーキングチップを搭載した、vProのステッカー付きのPCが登場すると、Intel最高経営責任者のPaul Otellini氏は発表会のなかで語った。
Intelはこの発表会のなかで、仮想化機能を組み込んだvProプラットフォームは、一般ユーザーではなく、ビジネスユーザー向けに開発されたものである点を強調した。しかし、いずれ仮想化や同様の技術が、一般向けのPC用にも開発されるだろうと、Symantecでは予想している。
「いまのところ、仮想化技術はビジネスプラットフォームで採用されている。しかし、この技術はいずれコンピュータの標準的な機能の1つとなり、あらゆるマシンに搭載されると予想している」(Salem氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ