「vPro」認定PC、最大のウリは仮想化技術を応用したセキュリティ機能 - (page 2)

文:Joris Evers(CNET News.com) 翻訳校正:向井朋子、小林理子

2006-04-26 12:24

 それに対し、IntelはPCに仮想化技術という新しいアイデアを持ち込もうとしている。ハイエンドのサーバーではこの技術を利用して、複数のサーバで処理していた各種のタスクを1台のハードウェアに集約するといったことがよく行われているが、クライアントシステムで仮想化技術を利用する例は、まだほとんど知られていない。

 vProブランド認定PCでは、1つの「サービスパーティション」をつくり、そのなかで単一の製品をホストすることが可能になる。この仮想化技術はOSの種類を選ばない。ソフトウェア企業各社は、自社の製品を動作させるために、どのOSでも組み込むことができる。たとえば、Symantecなどの企業はすでに、Linux向けのセキュリティ製品を販売している。

 このサービスパーティションへの制限は意図的なもので、複数のソフトウェアの間に互換性の不一致があっても、問題が生じないようになっている。「この仮想空間では他には何も起こらないので、互換性の問題は起こりようがない。システム管理者は安心して、ソフトウェアの更新を素速く行えるようになる」(Salem氏)

 Intelやソフトウェアメーカー各社の話によると、SymantecやTrend Micro、CA、Altiris、LANDeskなどのソフトウェア企業が、この技術を利用した製品の開発に取り組んでいるという。

 今後数カ月の間に、Intelの「Conroe」プロセッサと新チップセット、それに同社製ネットワーキングチップを搭載した、vProのステッカー付きのPCが登場すると、Intel最高経営責任者のPaul Otellini氏は発表会のなかで語った。

 Intelはこの発表会のなかで、仮想化機能を組み込んだvProプラットフォームは、一般ユーザーではなく、ビジネスユーザー向けに開発されたものである点を強調した。しかし、いずれ仮想化や同様の技術が、一般向けのPC用にも開発されるだろうと、Symantecでは予想している。

 「いまのところ、仮想化技術はビジネスプラットフォームで採用されている。しかし、この技術はいずれコンピュータの標準的な機能の1つとなり、あらゆるマシンに搭載されると予想している」(Salem氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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