「ユーザー企業に複雑さを感じさせないERPを目指す」--インフォアCTO - (page 2)

田中好伸(編集部)

2006-08-29 10:00

――Inforのシステムは日本の大企業や中堅・中小企業にも利用されています。しかし、日本企業の場合、欧米企業とは異なる商習慣や考え方の違いがあると思います。その点はどうでしょうか。

 わたしは1980年代から日本に来ており、確かに日本企業は欧米企業と違いがあるということは認識しています。そのために、欧米企業で使われているシステムをそのまま持ってくるわけにはいかず、日本企業向けに投資をする必要があります。

 実際、Inforでは日本にプロダクトマネージャーを置いて、日本企業向けにシステムを合わせるということを行っています。現在の日本企業のニーズはどんなものなのか、あるいは今後どういうものが必要になっているのか、日本企業に合わせた設計をしています。

 そのほかにも日本から技術者が米本社に来て、彼らの意見を聞くようにしています。また、日本でのパートナーやカスタマーの意見もわれわれは参考にして、システムの設計をしています。

――それは日本企業向けの独自の製品を開発しているということになるのでしょうか。

 いえ、日本独自の製品ではありません。日本を含めた米国や独など世界各国で共通の基盤の上に、機能を拡張するという形で日本企業向けに製品を開発するということを行っています。

 例えば自動車会社向けの製品において、その基盤は日本や米国、独、中国、どこの国であっても使えるようにしていて、その上で、日本企業向けの機能を拡張するという風にしています。

――Inforが提供するシステムは、モジュールを組み合わせることで段階的に企業に導入できるということになるのでしょうか。

 われわれの製品は企業の将来像を考えて、ビジネスのあり方やニーズに合わせて、システムの編成を決めることができるというものです。もちろん、全社的に一気にシステムを導入するビッグバンにも対応することができます。

 われわれの製品はシステムの役割や編成を考えて、プロセスの下位の小さなサブプロセスに必要なソフトを組み合わせて柔軟に導入できるというものです。

 われわれは、SOAによりシステムに迅速性をもたらそうとしています。つまり、ビジネスが変わるたびにシステムの導入をやり直すのではなく、ビジネスの変化に合わせてシステムを変化させようというものです。

 われわれが目指そうとしているのは、ユーザー企業にシステムの複雑性を感じさせず、そして「システムにはコストがかかる」といったことを感じさせないことです。ユーザー企業には利益だけを感じてほしいと思っています。

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