デル日本法人社長、バッテリーの自主回収について説明

藤本京子(編集部)

2006-08-29 17:55

 デルの日本法人 代表取締役社長のJim Merritt氏は8月29日、同社が15日に発表したソニー製充電池搭載ノートブックPCのバッテリーの自主回収について説明した。このバッテリーは、2004年4月1日から2006年7月18日にかけてデルが日本国内で販売した一部機種に搭載されており、使用中に発火の可能性があるというものだ。

 Merritt氏は、「今回発覚した問題は、デルのシステムデザインの問題ではなく、リチウムバッテリーの生産過程で起きた問題だ。ソニーはすでにこの問題を認識しており、是正措置を導入している。バッテリーによる事故が起こる確率はほとんどない。しかし、万が一のことを考えると、自主回収することが正しいことだと判断した」と、今回のリコールについて述べた。

 同様のバッテリーを使っている場合、デル以外のPCでも問題が起こる可能性があるのかという質問に対し、Merritt氏は「それはソニーに聞いてみないとわからない」としながらも、「他のメーカーでもリコールがあったばかりだ」と述べ、デル特有の問題ではないことを主張した。

 一部報道によると、今回のリコールによる費用は約2億ドルにのぼるとされている。その大半はソニーが負担するとされているが、「詳細は守秘義務があるので話せない。ただし、デルには今回のリコールによる財務的な影響はない」とMerritt氏。また同氏は、「ソニーはこれまでも、そしてこれからもよきパートナーだ。バッテリーの供給元を変更する必要はないだろう」と述べている。

 今回のリコールで同社のブランドイメージに対する影響はないのかとの問いに対し、Merritt氏は「顧客からはむしろ、自主回収を開始したことに対し、正しい判断だと前向きに受け止めてもらっている」と述べ、ブランドを傷つけるものではないとした。

 米Dellでは、リコール予定のバッテリーの数を410万個としているが、日本国内でリコールの対象となった台数は公表されていない。ただ、Merritt氏は「対象となった台数の割合は全体の数%に過ぎない」としている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]