インテルは9月8日、企業向けクライアントPCのソリューション「インテル vPro テクノロジー」の米国での発表にあわせ、国内でもvProに関する説明会を開催した。
インテルは、すでに4月にvProのブランド名を発表していた。インテル マーケティング本部 ビジネス・クライアント・プラットフォーム・マーケティング部 部長の廣田洋一氏は、企業のIT管理者の課題として、情報漏洩対策やウイルス対策などを考慮しなくてはならないことはもちろん、IT管理費が増大していること、ワークスタイルの変化で従業員が自宅を含めたさまざまな拠点で作業するケースが増えていることなどを挙げ、「vProがこうした課題を解決できる」としている。
vProのハードウェア面での構成要素は、「インテル Core 2 Duo プロセッサー」をはじめ、第2世代の管理機能を持つプラットフォーム技術「インテル アクティブ・マネジメント・テクノロジー」、仮想化技術の「インテル バーチャライゼーション・テクノロジー」、新しいチップセット「インテル Q965 Expressチップセット」、「インテル 82566DM ギガビット・ネットワーク・コネクション」などだ。
このハードウェアプラットフォームにより、「これまでソフトウェアベースで提供していたセキュリティや運用管理機能が強化される」と廣田氏は説明する。例えば、ソフトウェアベースのソリューションでは、ソフトウェアが動作していない環境ではPCの運用管理やセキュリティ機能が動作しないが、ハードウェアで管理機能をサポートすることで、電源の入っていないPCを遠隔地から管理、修復するといったことができるようになる。
ただし、こうしたハードウェア技術だけではvProの力を生かすことはできない。廣田氏は、「vProのプラットフォーム上に、ISVやSIerの提供するソフトウェアなどを組み合わせて初めて、vProが完全なソリューションとして成り立つ」と説明している。
米国では、すでにvProに最適化されたソリューションを提供するパートナー企業が発表されている。Adobe Systems、CA、Check Point Software Technologies、Cisco Systems、Hewlett-Packard、LANDesk Software、Lenovo、Microsoft、Symantec、Trend Microなどがその一例だが、「ほとんどの企業が国内でも同様のサービスや製品を展開するだろう」と廣田氏。また、インテル マーケティング本部 本部長の阿部剛士氏も、「国内のベンダーやSIerにもすばらしいソリューションを持つ企業がいる。こうした企業もvProに賛同している」と述べ、日本独自のソリューションが提供される可能性を示唆した。
すでに同日、NECや日立製作所がvPro対応のPCを発表しているが、ソリューションパートナーも含めたvProの国内における正式発表は10月となる。
また、2007年には、新たに「インテル Centrino Duoモバイル・テクノロジー・プラットフォーム」(開発コード名:Santa Rosa)が登場する予定で、vProの機能がノートPCでも展開されることになる。ただし、そのブランド名がvProとなるのか、Centrinoとなるのか、もしくは全く新しいブランド名となるのかは未定だ。