Sun Microsystemsは米国時間9月13日、UltraSparcベースのローエンドサーバについて、従来型の「UltraSparc IIIi」プロセッサを高速化して1.5GHzとするアップグレードを発表する予定だ。
この動きは、8月にSunが「UltraSPARC IIIi+」(開発コード名「Serrano」)プロセッサの製造を中止し、代わりにこのUltraSparc IIIiをアップグレードする計画のあることを明らかにして以来、予測されていたものだ。この新しいプロセッサの速度は、1.35GHzだった先代モデルより一段向上している。
また、新製品の「Boston(開発コード名)」モデル、および「Seattle(開発コード名)」モデルのサーバ--正式名称はそれぞれ「Sun Fire V215」「V245」、および「V445」--では、サーバ内の入出力バスに「PCI-X」と「PCI Express」を採用し、PCIバスを採用していたこれまでのモデルと比べ速度の向上を実現している。この新モデルと競合するおもな製品には、、最近になって新製品が投入されたIBMの「Power」プロセッサ搭載UNIXサーバシリーズや、Intel製「Itanium」プロセッサを搭載したHewlett-Packard(HP)の「Integrity」シリーズがある。
2006年第2四半期、Sunは4大サーバメーカーの中では唯一、売り上げが伸びた企業だった。Sunはその後も、Sparcプロセッサをてこ入れしてこのチップの将来を確固たるものにしようと努力を続けている。ただし、その一方でSunはx86系チップを搭載する「Galaxy」シリーズも製品ラインナップに加えている。
SunがUltraSparc IIIi+の製造を取りやめたのは、より高性能で革新的な設計を持つローエンドプロセッサ「UltraSparc T1」(開発コード名「Niagara」)に注力するためだ。「T1000」および「T2000」サーバに搭載されているUltraSparc T1は8つのプロセッシングコアを持ち、1つのコアで4つのスレッドを同時に実行できる。
Sunは、Niagaraの登場によって旧型のUltraSparc搭載マシンの売り上げが減少することを懸念していたが、実際にはそうならなかったと、同社で量産Sparcシステムを担当するシニアディレクター、Warren Mootrey氏は語っている。
Sunは引き続き、Sparcサーバの両面展開をはかっていくようだ。2007年初めに富士通とのAPL(Advanced Product Line)契約によりローエンドシステムが追加されるほか、2007年後半には「Niagara II」ベースのサーバが発売される予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ