Intelは、2007年の年末に発表予定の45nmチップである「Penryn」の設計を完了(テープアウト)した。
同社は現在、Penrynの最初のサンプルを製造中である。
Intelのプロセス技術担当ディレクタであるMark Bohr氏は、「(サンプルは)まだファブから上がってきていないが、ファブ内には存在する」と述べた。
Intelは2006年に入って、45nmプロセスで製造したメモリチップを公開していた。
Penrynテープアウトの発表は、Intelが持つ製造技術の高さを裏付けている。同社は2年毎に新しい製造プロセスを導入してきた。一方、Advanced Micro Devices(AMD)などの競合他社は、これほどの速さで新しい製造プロセスを導入することはできていなかった。Intelは2005年10月に65nmプロセスで製造したチップの出荷を開始している。AMDの最初の65nmチップの出荷は2006年12月の予定である。
ただし、AMDも、同社初の65nmチップ発表のわずか18カ月後に45nmチップを発表すると宣言し、周囲を驚かせている。AMDがこれを実現するならば、製造技術において優勢なIntelよりも6カ月ほど早いことになる。
より高度なプロセスを使用すると、一般的にチップはより速く安価に製造可能となる。ナノメートルというのはチップ内部の構造の長さを指す。ナノメートルはメートルの10億分の1だ。
製造技術がすべてというわけではない。チップメーカーは設計も改良する必要がある。しかし高度な製造プロセスがあれば、その企業は市場シェアを新たに得たり、市場シェアの損失を食い止めたりすることができる。Intel設立に参加したLes Vadasz氏ら同社幹部や、社外のアナリストらも、製造プロセスが以前にも増して企業の成功における大きな役割を担うと述べている。
Bohr氏は、45nm製造プロセスによりIntelチップはどのように変更するかについては、明言を避けた。同社は以前、リーク電力を抑えるためにトランジスタゲートとゲート酸化膜の材料を変えるかもしれないと述べたことがある。これが実現されれば大きな変更となる。
しかしBohr氏は、45nmチップではトライゲートトランジスタを使用しないことは明言した。トライゲートトランジスタには複数のゲートがあり、より多くの電子が一度に流れるため、性能を向上することができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ