NECは3月9日、国立環境研究所に納入した最大ベクトル演算性能4.096テラフロップス(FLOPS)のスーパーコンピュータシステムの運用が始まったと発表した。同システムは、スーパーコンピュータ「SXシリーズモデルSX-8R」16台で構成している。
SX-8Rは、2006年10月に発売したベクトル型スーパーコンピュータ。最大8個のプロセッサで構成するシングルノードの最大ベクトル演算性能は、281.6ギガFLOPSある。また、マルチノード構成として最大512ノードを接続すると、最大ベクトル演算性能は144テラFLOPSになり、「商用機としては世界最高速のベクトル型スーパーコンピュータ」(NEC)という。
国立環境研究所は、人工衛星で得た観測データの解析/処理、地球規模の環境変動の解析/将来予測/影響解明などで、新システムを利用する。処理性能が従来システムに比べ約8倍高いことから、NECでは「地球規模の環境変動解析では、長期間かつ広範な空間的領域を対象とする膨大な演算処理が要求される研究に対応できるようになった」としている。