OSS導入後のサポートには万全の体制を整備
このように、NECが提供する「SpikeSourceコアスタック」は、技術的な面で不安があった中堅・中小企業のOSSの導入を大きく後押ししてくれる。しかし、OSSによるITシステムは、導入後の運用にも困難がつきまとう。運用のサポートにおいても、NECは万全の体制を取っていると高橋氏はいう。
「Linux/OSSの導入状況も、現在では官公庁や公共などの業種に限らず、社会の様々な領域で活用されています。NECグループでは2100サイトを越えるお客様へLinuxシステムを提供しており、多くの導入実績とノウハウを活かし、基幹業務のシステム構築事例を拡大しています。また、システム導入前のコンサルティング段階からシステム設計・構築・評価に至るまでの対応を行うことができるよう要員育成にも力を入れています」
NECのOSS推進センターには、170名のOSSの技術に詳しいエンジニアが結集している。そして、オープンソースの発展に歩調を合わせ、各コミュニティと密接な関係にあるJBoss、a division of RedHat、MySQL AB、ミラクルリナックス株式会社、Twin Sun, Inc. などのOSSベンダと連携し、アプリケーションへの取り組みも強化中だ。NECではOSS推進センターを中心に、お客様に高信頼のサポートを提供できる体制が確立されている。
アップデートは「SpikeNet」で容易に実行
さらに、システムトラブルの原因となるバグやセキュリティホールといった問題についても、「SpikeSourceコアスタック」自身に解決の仕組みを組み込むことによって対応が図られているのも大きな特徴だ。
「『SpikeSourceコアスタック』では、『SpikeNet』と呼ばれるアップデートサービスによってバグやセキュリティホールなどの情報を管理しています。『SpikeNet』では各コミュニティからの情報を随時チェックを行っているので、常に最適のタイミングで相互検証を行ったアップデータの提供を受けることができます。
コンポーネントはRPMパッケージで、3ヶ月ごとに各OSSのコミュニティのサポートポリシーに準拠した形でリリースされます。更新コンポーネント、アップデート情報はメールにてお客様に情報提供を行います。また、日本語によるマニュアル、サポートの提供を行えるのは、NECならではといえるでしょう。」(高橋氏)
コアスタックに含まれる全てのOSSの動作検証と情報展開をSpikeSource社が行うことによって、これまでのようにディストリビューションの選択に迷ったり、トラブル対応に必要な情報を探し回ったり、といったことは不要になる。その結果、顧客やSIerは、検証やトラブル処理に割いていたコストや時間を、より戦略的・創造的な作業に振り分けることが可能になるといえるだろう。