インテルは4月11日、プレス向けブリーフィングにて、2007年から2008年にかけて発表予定の製品について説明した。
インテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏が手にしているのは、2007年後半に量産開始が予定されている45nmプロセスの次世代プロセッサファミリ「Penryn」(開発コード名)だ。Penrynは、「インテル Coreマイクロアーキテクチャ」を拡張したもので、「より高速な動作周波数とキャッシュの大容量化が実現する。また、新しいSSE4拡張命令を実装する」と吉田氏は説明した。
吉田氏は、2008年に量産開始予定の次世代マイクロアーキテクチャ「Nehalem」(開発コード名)についても触れた。Nehalemは、最大8コア、最大16スレッドが同時実行可能で、メモリコントローラが内蔵されているほか、オプションでクライアントPC向けに高性能グラフィックスが内蔵される。また、4命令が同時実行でき、SMT(同時マルチスレッディング)、マルチレベル共有キャッシュ、ダイナミック電力管理機能などが実装される。
また、インテルは11日、アプリケーションの開発やデバッグ、チューニングを支援するツール群の最新版を発表した。「インテル スレッド・チェッカー 3.1」、「インテル スレッド・プロファイラー 3.1」、「インテル VTune パフォーマンス・アナライザー 9.0」、「インテル スレッディング・ビルディング・ブロック 1.1」の4製品で、Windows Vistaとクアッドコアに対応している。
スレッド・チェッカーは、64ビットアプリケーションにおいて検出が困難なスレッディングエラーを検出する。スレッド・プロファイラーは、アプリケーションスレッドの動きを可視化し、並列処理の性能上の問題が特定できる。VTune パフォーマンス・アナライザーは、シングルコアとマルチコアのシステムによるソフトウェアの高速化を支援するソリューション。スレッディング・ビルディング・ブロックは、アプリケーションのスレッド化を簡素化するC++ テンプレートライブラリで、スレッドをプロセッサコアに割り当てる作業が削減できる。
インテル マーケティング本部長の阿部剛士氏は、「ハードウェアだけを並列化しても、アプリケーションが対応していなければ意味がない。ソフトウェアの開発は非常に重要だ」と述べ、こうしたツール群の重要性を語った。
これらのツールの価格は、スレッド・チェッカー 3.1のWindows版が15万1725円、Linux版で現在のコマンドライン用途のみが7万5915円、スレッド・プロファイラー 3.1 Windows版が4万5570円、VTune パフォーマンス・アナライザー 9.0がWindows版、Linux版共に10万9725円、スレッディング・ビルディング・ブロック 1.1がWindows版、Linux版、Mac OS版共に4万5360円となる。日本国内ではエクセルソフトを通じ、4月17日より販売される。