総務省は4月19日、「ネットワークのIP化に対応した安全・信頼性対策案」を公開(PDF形式)。5月18日までの間、同案に対するパブリックコメントを募集する。
同案は、2006年8月に発足した、同省の情報通信審議会情報通信技術分科会IPネットワーク設備委員会がこれまで審議を重ね、取りまとめたもの。ネットワークのIP化が国際的に進展し、ICTを利用した新しいサービスが拡大する一方、運用面における安全性など、IP化に伴う諸問題の対策を提言している。
対策案ではまず、ネットワークのIP化の現状として、IP系サービスにおける通信障害事故件数が増加傾向にあることを挙げ、その特徴が従来の電話ネットワークの場合と異なることを指摘。IPネットワーク系の事故の原因は、人為的要因やソフトの不具合によるものが多いと分析し、さらに、事故の大規模化や長時間化傾向を報告している。
また、ネットワークのIP化に伴う安全・信頼性の重点対策を設備、運用・管理、体制面の3点に分類。故障や災害によるICT障害や、サイバー攻撃、情報漏洩、ネットワークの輻輳(ふくそう)問題など、各種トラブルに対する対策を、3方面にわたりそれぞれ提案している。
同案は、総務省のウェブサイト、および電子政府の総合窓口「e-Gov」で公開。寄せられたパブリックコメントを反映し、5月中にも報告書が取りまとめられる方針。