アイエニウェア・ソリューションズは5月10日、同社のRDBMSパッケージの最新版「SQL Anywhere 10」日本語版を発売した。出荷は5月末より開始される予定。
中規模から大規模システム向けとしてはもとより、パッケージソフトやハードウェアへの組み込み、モバイル用途でのDBとしても人気の高い同製品だが、最新版では、高可用性とデータ保護の機能を大幅に強化したことで、より大規模かつミッションクリティカルな用途に応えるとしている。
iAnywhereでエンジニアリング統括部長を務めるRichard Morgan氏は、SQL Anywhere 10での強化点の説明にあたり、4つの重要領域として「パフォーマンスの向上」「堅牢なデータ管理」「生産性の向上」「同期・統合の強化」を挙げた。
パフォーマンス面では、ビュー用のデータをデータベース内に格納することで、クエリ・パフォーマンスを自動化する「マテリアライズド・ビュー」、他のデータベース処理に影響を与えずに一貫性が保障されたビューを表示する「スナップショット・アイソレーション」、同時に複数のバックアップスレッドを実行することで、大容量DBのバックアップ時間を短縮する「パラレル・クエリ」といった機能が追加されている。
データ管理機能の強化にあたっては、特別なハードウェアやソフトウェアを利用せずに、バックアップサーバへのデータミラーリングと自動フェイルオーバーを可能にしたことで高い可用性を確保するという。
そのほか、個々のテーブル単位でのデータ暗号化機能によるセキュリティの強化に加え、Microsoft Visual Studio 2003、2005との統合強化やウィザードベースの同期開発ツールによる生産性の向上なども実現されている。
また、新バージョンではライセンス価格が改定され、5クライアントライセンスを含む「基本パッケージ」が13万8000円(税別)で提供される。基本パッケージには、SQL Anywhereサーバ(1ライセンス)、SQL Anywhereクライアント(5ライセンス)、Mobile Linkサーバ(1ライセンス)、同期/メッセージング機能付きSQL Anywhereパーソナル・サーバ(5ライセンス)、同期付きUltra Light(5ライセンス)、Sybase Central(1ライセンス)が含まれており、従来の製品と比較して、モバイルシステムや支店などのリモート環境への導入が容易になったという。