カリフォルニア州サニーベールを本拠地とするInterwovenは、1995年に設立されたウェブコンテンツ管理ソフトウェア企業。同社のソリューションは、adidasやAirbusをはじめ、Avaya、Cisco、FedEx、Microsoft、Samsung、Shellなど、世界各国の約3900社に採用されている。2006年の売り上げは2億ドルを超え、12四半期増収増益を続けている。
同社のインターナショナルマーケティング担当バイスプレジデント、Heidi Lorenzen氏は、「Interwovenのビジネスが好調なのは、日本市場における成功が大きな要因のひとつ。現在は、全売り上げの約60%を北米から得ているが、2〜3年後にはこの割合が逆転し、北米以外からの売り上げが60%以上になるだろう」と話す。
「中でもアジア太平洋地域は、猛烈な勢いで成長している。特に日本市場は年率100%で成長を続けている有望な市場」とLorenzen氏。同氏はさらに、「日本市場は、北米に次ぐ重要な市場。今後、日本市場でさらにビジネスを拡大していくためには、“Interwoven”という会社の知名度を高めていくことが必要になる」と述べている。
日本市場における知名度を向上していくために同社は、「新しいソリューションの提供」と「ユーザーコミュニティの活性化」の大きく2つの取り組みを推進していく計画だ。
まず、新しいソリューションの提供は、2007年4月にサンフランシスコで開催された「GearUp 2007」で発表されているもの(関連記事参照)。ウェブサイトの企画から制作、訪問者への配信、訪問者の行動分析を繰り返し行うことができるウェブマーケティングのクローズドループを実現する。この中核となる製品が、「Interwoven Targeting」であり、日本でも2007年秋にリリースが計画されている。
「ウェブコンテンツ管理を中心にビジネスを展開していくのが我々の戦略。2007年の新しい方向性としては、Web2.0対応に向けた取り組みが重要になる。これまでのウェブコンテンツ管理は一方通行だったが、今後は双方向のソリューションを実現する。ウェブサイトに参加した訪問者の情報を共有し、さらにその情報をフィードバックすることで新しい価値を生み出すことができるソリューションを提供する」(Lorenzen氏)
一方、ユーザーコミュニティの活性化では、「現在、約100社が参加している日本のユーザーグループの活動が重要な位置づけになる。Interwovenのユーザーグループの活動はユニークで、ユーザー同士が技術的な課題の解決法や製品に関するノウハウなどの情報交換を非常に密に行っている」(Lorenzen氏)という。
従来、日本におけるInterwovenのユーザー会は年1回開催されていた。しかし、ユーザー企業からの要望もあり、2007年からは春と秋の2回開催されることになったことも活発な活動の表れだ。こうした草の根的な活動を展開するという雰囲気は、「日本だけでなく北米をはじめとする各国のユーザー会でもあまり差はない」とLorenzen氏。
Lorenzen氏は、「GearUp 2007カンファレンスでは、来場者バッチの変わりに小型のPDAが支給されているが、このPDAの赤外線通信の機能を利用した名刺交換が会場のいたるところで頻繁に行われていた」と話している。