日本ラドウェアは6月5日、ビジネスプロセスの最適化を支援する新しいビジョン「ビジネス・スマートネットワーク」を発表した。この新しいビジョンにより同社は、アプリケーションを継続的に動作させるIT活用のための従来ソリューションを提供していくことはもちろん、ビジネスに貢献するIT活用を実現すためのソリューションも提供できる企業に進化するという。
来日したRadwareの最高経営責任者(CEO)、Roy Zisapel氏は、「現在は、単にアプリケーションを継続的に動かしておけば良い時代ではなくなった。ビジネスにいかに貢献するかがITの活用に求められている。たとえば、サービス指向アーキテクチャ(SOA)や仮想化のように開発/運用コストに直結するソリューションがネットワーク構築にも求められている」と話す。
ビジネス・スマートネットワークは、これまで同社が「アプリケーション・スマートネットワーク」を中核に推進してきたアプリケーションアウェアなネットワークサービス、ユーザーアウェアなネットワークサービス、コンテンツアウェアなネットワークサービスの3つのネットワークサービスで構成されている。
アプリケーション・スマートネットワークは、アプリケーション利用環境を最適化することを目的に、可用性(Availability)、パフォーマンス(Performance)、セキュリティ(Security)の3つのポイントで管理性を向上する同社のビジョン。このビジョンを具現化する製品群を、Availability、Performance、Securityの頭文字から「APSolute(アプソルート)Product Suite」として提供している。
また、ユーザーアウェアなネットワークサービスでは、IPアドレスだけでなく、ユーザーのアイデンティティも含めて利用者を特定し、利用可能なネットワーク環境を特定。さらに、コンテンツアウェアなネットワークサービスでは、パケットだけでなく、ビジネスイベントまでを理解して、利用可能なネットワーク環境が決定される。
Zisapel氏は、「ビジネス・スマートネットワークを実現するには3つの段階がある。まずビジネスを理解すること(いつ、誰が、何を、どうするのか…)、次に理解したビジネスをバックエンドのアプリケーションと連携させること、そしてループを断ち切り、ビジネスアプリケーションの方向性をベースに展開することだ」と言う。
ビジネスとバックエンドのビジネスアプリケーションを連携させるための中核のソリューションとなるのは、2007年4月にRadwareが買収したCovelight Systemsの「Inflight」だ。Inflightは、キャプチャ(Capture)、加工(Transform)、通知(Feed)の頭文字による「CTFテクノロジ」により、アプリケーションを受動的にキャプチャし、パケットをビジネスイベントに加工し、ビジネスイベントとしてリアルタイムに配信することで、ビジネスとバックエンドを連携する。
Zisapel氏は、「ビジネス・スマートネットワークの実現により、ビジネスプロセスの可視化やプロセス連携の強化、SOAに基づく変化への迅速な対応、リアルタイム監視による内部統制やコンプライアンスの強化など、さまざまなベネフィットを提供できる」と話している。