松下電器産業とパナソニック システムソリューションズは6月6日、総務省の「ユビキタスセンサーネットワーク技術に関する研究開発」の一環として実施した「子ども見守りシステム」の実証実験結果を発表した。
子ども見守りシステムは2006年2月、大阪市内で実施した実証実験「街角見守りセンサーシステム」の機能改善と積雪寒冷地での動作検証を目的としたもの。
青森県弘前市立大成小学校などの協力を得て、無線多段中継ネットワークによる画像伝送機能を持つ「見守りセンサーノード」3台とネットワークカメラ3台を学校の正門などに設置。さらに保護者の同意を得た同小学校3年生と5年生の生徒112人のランドセルにハイブリッド電子タグを取り付け、登下校時の画像および時刻を保護者の携帯電話やPCに配信した。
電子タグケースについては、大阪市の実証実験の際、ランドセルへの取り付け不備による落下や紛失などが要因で通過履歴の検地率低下が発生した。今回の実験では取り付け可動部を排除し、ランドセルから外れにくい構造にしたほか、落下防止ストラップの採用、小型化実現など改良した結果、112人の登下校通過履歴を100%の高精度で検知したという。
また、広域エリア無線多段中継伝送の降雪・積雪の影響については、測定した結果、最大で伝送能力は約4分の1、伝送距離は2分の1の減衰を確認。さらに大阪市内実験で課題が残された車の通行や長時間停車時の無線伝送路の安全性確保については、5GHz帯無線アクセスシステムから、より長距離での伝送を想定した25GHz帯無線通信を採用した。
実験終了後の保護者へのアンケート結果では、約88%の保護者が「今後も継続的に見守りシステムを設置してほしい」と回答。メールでの登下校通知については、約7割の利用登録者のうち約97%が「安心が高まった」と回答。画像による登下校の確認については、約5割の利用登録者のうち約82%が「安心が高まった」としている。