OSI参照モデルのお勉強・その2--ネットワークのイロハ(3) - (page 3)

宮本健一(ノーテルネットワークス)

2007-06-18 08:00

アプリケーション層

 次に、先程から登場しているアプリケーション層(レイヤ5〜7)について説明する。この層は1つのプロトコル(例えばHTTP)定義で、レイヤ5〜7を定めるケースが多いので、1つのレイヤとして扱う文献が多い。

アプリケーション層 アプリケーション層

 アプリケーション層は、トランスポート層までデリバリされたデータを紐解き、そのデータをアプリケーションとして開く作業を行う。また、その逆で、アプリケーションをトランスポートに渡す役割も持つ。アドレスや番号など、ネットワーク間でのデリバリに関係する情報を所有していないので、このレイヤのプロトコルを「アプリケーションプロトコル」とも呼ぶ。

 トランスポート層(レイヤ4)やアプリケーション層(レイヤ5〜7)のプロトコルを元にパケットを処理する機器は「L4-7スイッチ」と呼ばれる。最近では「アプリケーションスイッチ」とも呼ばれ、主にネットワークやサーバの負荷分散、HTTP処理の高速化、アプリケーションの高速化およびセキュリティを強化する機器だ。市場が一層伸びているカテゴリであり、ノーテルネットワークスでも導入実績の高い「Nortel Application Switchシリーズ」として販売している。

 今回で一通りOSI参照モデルに基づいたプロトコルのお話しは一旦終える。次回はIPアドレスについてもう少し詳しく見ていきたいと思う。

宮本健一
筆者紹介

宮本健一(みやもと けんいち)
ノーテルネットワークス エンタープライズアンドチャネルズ営業本部
エンタープライズマーケティング プロダクトマネジャー

担当製品: L4-7スイッチ、セキュリティ製品、他
経歴: 1998年某大手通信事業社入社。法人営業、通信機器マーケティングを経て、2005年11月ノーテルネットワークス入社。現職へ。
一言: Web 2.0、SOA、SaaS等とアプリケーション分野では新たな波が押し寄せており、それを支えるネットワーク分野も革新が行われています。新たなテクノロジーによる、新たなマーケットの創造を考えつつ、自分の知らない世界(分野)については、こっそりと「超基礎」コーナーから勉強する。そんな日々のギャップを密かに楽しんでいる今日この頃です。

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