日本ヒューレット・パッカード(HP)は6月28日、中小規模システム向けのバックアップストレージの新製品を発表した。HP StorageWorksファミリー製品を拡充し、「中小企業のデータ保護において課題となる、投資負担や管理者の負荷を軽減する」(日本HP エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 ストレージワークス製品本部 本部長 富岡徹郎氏)という。
HPが発表したのは、ディスクを使ったストレージバックアップ製品「HP StorageWorks D2D120 Backup System」、第6世代のDDSテクノロジを採用したDATドライブ「HP StorageWorks DAT160テープドライブ」、LTO第4世代に対応した「HP StorageWorks LTO Ultrim 1840テープドライブ」、SAS接続に対応した「HP StorageWorks LTOテープオートメーション」、管理ソフトの「HP Data Protector Express Software version 3.5」だ。
Hewlett-Packard ストレージワークスディビジョン データプロテクション&セキュリティプロダクト ディレクターのAdam Thew氏は、「データ保護を実現するために、大企業ではサーバクラスタやストレージクラスタ、リモートデータレプリケーションなどを用意しているが、こうしたソリューションは高価だ。データの特性を見極め、何時間ビジネスを止めることができるか、どれくらいの頻度でバックアップを取るべきか、といったことを考慮した上で、必要な対策を立てるべき。中小規模のシステムであれば、ローカルデータレプリケーション、ディスクバックアップ、テープバックアップだけで十分というケースが多い」と話す。
今回同社が発表した製品群は、ディスクバックアップとテープバックアップのソリューションだ。まずD2D120は、インストールと運用管理を容易に実現する中小規模環境に最適なディスクバックアップ装置。4台のサーバのバックアップを自動化し、ファイル単位のリストア要求に分単位で対応する。価格も、1.5テラバイトのバックアップを29万4000円(税込み)から提供する。
DAT160テープドライブは、カートリッジ1本に160Gバイト(2:1圧縮時)というDAT最大の容量を実現した。バックアップスピードは50Gバイト/時(2:1圧縮時)で、2世代前までの下位互換性を保証する。SCSI接続モデルに加え、導入しやすいUSBモデルも提供、それぞれに内蔵型、外付け型を用意する。
LTO Ultrim 1840テープドライブは、最大容量が1600Gバイト(2:1圧縮時)、最大性能が240Mbps(2:1圧縮時)だ。バックアップソフトウェアによる暗号化に対応する。LTOテープオートメーションは、時期標準規格の3GバイトSAS接続をサポートする。
Data Protector Expressは、小規模環境に最適なバックアップソフトウェア。Windows環境のデータ保護運用を改善し、暗号化にも対応している(LTO4上の暗号化は9月)。
Thew氏は、バックアップストレージ製品の今後について、「LTO5やLTO6、また第7世代と第8世代のDAT製品も開発していく。また、高度な仮想テープ製品や、オートマイグレーション機能、データの重複排除機能などにも投資する。ハードやソフトでの暗号化や暗号キー管理などのセキュリティソリューションも拡充し、データプロテクションをストレージ管理に統合していく」とした。