Free Software Foundation(FSF)は米国時間6月29日、GNU General Public Licenseのバージョン3(GPL 3)をリリースした。
FSFは、GPL 2を採用しているオープンソース開発者の大半がGPL 3に移行することを望んでいる。とは言うものの、旧バージョンであるGPL 2は今後も有効なライセンスであり続ける。
FSFの設立者であり、現在会長を務めるRichard Stallman氏は、フリーソフトウェアの開発と、ソフトウェアの無償化にそのキャリアを捧げてきた。ソフトウェア開発者とユーザーの自由を制限する著作権や特許、デジタル著作権管理、その他の法的あるいは技術的な仕組みすべてに強く反対しているStallman氏は個人的に、EmacsやGNUコンパイラ、GNUデバッガなど、コンピュータ界でよく利用される重要なプログラムを開発してきた。
FSFのプレスリリースによれば、この新ライセンスによって、ユーザーの自由がより保護されるようになり、他のフリーソフトウェアライセンスとの互換性が向上することになるという。
実際には、GPL 3は一部の開発者の自由を制限し、商用ライセンスとの互換性を低下させるものでもある。
GPL 3は例えば、商用機器がGPL 3に基づいたコードを使用する場合、そのコードの修正バージョンを当該機器上で使用可能にしなければならないと定めている。例えばTiVoではGPL 2に基づいたコードが使用されているが、録画したTVプログラムが許可無く配布されることがないよう、TiVo上で修正バージョンのコードが使用できないようになっている。こういった場合、GPL 3はGPL 2よりも「自由」が制限されており、一部の商用プラットフォームにおいては受け入れられないものとなっている。
FSFはまた、MicrosoftとNovellとの間に交わされたような特許契約を防ぐための変更も行っている。筆者は弁護士でないので、GPL 3がこの目的を達成できているかどうかは不明である。こういった変更が標的とするMicrosoftやNovell、その他の企業はまだ、新ライセンスの内容について不十分な点を指摘してはいないとみてもよいだろう。