Samba、GPLv3を支持--バージョン3.2から移行へ

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2007-07-10 11:11

 「Samba」のプロジェクトリーダーらは米国時間7月9日、新バージョンのGNU General Public License 3(GPLv3)の支持を表明した。Sambaは、ネットワークファイル共有やプリントサーバ機能の提供で幅広く利用されているオープンソースのソフトウェア。

 Sambaのプロジェクトリーダーの1人Jeremy Allison氏は、「Samba Team内部で検討した結果、Sambaの今後のリリースではGPLv3およびLGPLv3の両ライセンスを採用していくことに決定した。これは、Sambaなどの各種フリーソフトウェアに対する関心を高めるために役立つ重要な変更だと思っている」と語った。

 Free Software Foundation(FSF)は6月にGPLv3をリリースし、特許、ほかのライセンスとの互換性、そして民生用ビデオレコーダーといった各種消費者向けデバイスでのGPLソフトウェアの利用などに重要な変化をもたらしている。GPLv3の完成を受け、今後はその普及に注目が移っている。

 GPLは無数の小規模オープンソースプロジェクトが採用しているが、Samba、MySQLデータベース、Linuxカーネル、Javaといった大規模プロジェクトもこれを採用している。ただ、Linuxカーネルプロジェクトを指揮するLinus Torvalds氏は、1991年リリースのGPLv2の方を支持している。

 Sambaは、3.0.29からバージョン3.2となって登場する次期バージョンでGPLv3に移行する。Sambaでは、「明確にしておくと、Sambaは3.2以降のすべてのバージョンには今後GPLv3を適用し、Sambaの3.0.x以前には今後もGPLv2を適用する」としている。

 GPLv2とGPLv3では必ずしもソースコードを混在できないため、オープンソースプロジェクトのライセンス移行作業は複雑になる可能性がある。

 Sambaチームによると、セキュリティパッチはGPLv2適用バージョンにも提供し続けるが、新機能はGPLv3バージョンにしか追加しないという。

 FSFは既に、ファイルの圧縮解凍に幅広く利用されている「tar」コマンドをはじめ、Gnu's Not Unix(GNU)プロジェクトの多数のエレメントをGPLv3でリリースしている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]