日本IBMは、サーバ統合などシステム仮想化の際に事前調査を行い、仮想化後の姿を可視化するソリューション「Zodiac」の最新バージョンとなる「Zodiac V3」を発表した。
Zodiacは、顧客のサーバ情報を基に、どのような仮想化を実施するのがベストかを戦略的に分析する。システムの管理コスト、ハードウェア、ソフトウェアの保守コストなどを概算し、システム統合前と統合後の運用費を比較、年間のコスト削減額を算出することも可能だ。
V3では、数値化や金額概算などの可視化機能が強化されたほか、統合時に発生するネットワーク遅延によるレスポンスタイムの悪化を予測し、改善案を提示するなど、ネットワーク分析機能が強化された。また、これまでのバージョンでは備わっていなかった環境問題への取り組みとして、電力、熱、CO2に関する分析機能を追加し、改善案実施後のCO2削減量の算出もできるようになった。
日本IBMシステムズ・エンジニアリング アーキテクチャー・イノベイティブ・ソリューション テクノロジー・イノベーション担当 ICP-シニアITA システムズ&テクノロジー・エバンジェリストの濱田正彦氏は、「サイジングは仮想化を成功させるキーだ」と述べ、Zodiacはそのためのソリューションだとした。
「仮想化後の無駄なリソースの発生や、構成の柔軟性の欠如、リソース不足によるパフォーマンス障害などを避けるためには、事前に充分なサイジングを実施する必要がある。しかし、サイジングのための一般的な手法は確立されていない。仮想化を成功さえるためにはこうしたノウハウを持ったベンダーを選択すべきだろう」(濱田氏)